皆さんは、今話題のメタバースオフィスをご存じでしょうか。

メタバースオフィスとは、仮想空間上にオフィスを構築し、そこで実際に仕事をできるようにするサービスのことで、「oVice(オヴィス)」や「RISA」「Sococo」など、さまざまなサービスが展開されています。

本記事では、メタバースオフィスの概要やメリット・デメリットを解説していきます。

メタバースオフィスとは?

最近、様々な場所で「メタバース」という言葉を耳にする機会が増えました。皆さんも一度は聞いたことがあるかもしれません。そもそもメタバースとは、英語のmeta(超)とuniverse(宇宙)を組み合わせて作られた造語で、Web上に仮想的に構築された空間やサービスを指します。メタバース空間に自分のアバターが表示され、自由に散策や他者との交流、ネットショッピングなどができるようになっています。直近では、メタバース上に渋谷の街を再現し、そこで買い物や交流ができるようになり話題になりました。

メタバースはZ世代など若い世代を中心に広がりを見せていますが、最近ではメタバース上に仮想オフィスを作れるようなサービスも出てきました。こうしたメタバース上のオフィス空間を「メタバースオフィス」と呼びます。メタバースオフィスでは、社員それぞれのアバターの動きや表情、「会議中」「離席中」などのステータス表示で社員同士がコミュニケーションを取ることができるため、実際のオフィスにいるのと同じような感覚で利用可能です。

メタバースオフィスには3Dと2Dがある

メタバースオフィスには、大きく分けて3Dのものと2Dのものが存在します。

3Dの場合、アバターが立ち上がって歩いたり手を振ったりなど、分かりやすくコミュニケーションを取ることが可能です。また、VR機材などを用いれば、実際に隣で業務をする感覚も得られるでしょう。このように、一緒にオフィスで働いている感覚を得られるのが最大のメリットです。

2Dのメタバースオフィスの場合、動き回るアバターではなく、代わりにアイコンが画面上に表示されるものが主流です。同僚のアイコンをクリックすることで、テレワークでは実現しにくかった「ちょっとした会話」を楽しむことができます。テレワークだと、先輩や同僚に話しかけにくい…というよくある課題の解決にもつながるでしょう。

メタバースオフィスによくある機能

メタバースオフィスには、テレワークをより快適にしてくれる機能が揃っています。

・バーチャルなオフィスを構築する機能(実際のオフィスの雰囲気に寄せることも可能!)
・チャット、会議、会話機能
・社員の勤務状況の把握機能、勤怠管理機能
・資料、画面共有機能

メタバースオフィスは、実際にオフィスにいる時のような「ちょっとした会話/相談」がしやすくなったり、別のツールを立ち上げずにその場で会議ができるなど、テレワークに欠かせない機能を搭載しているサービスがほとんどです。

基本的にWeb会議ツールで実現できる機能が揃っている他、社員の勤怠管理ができる機能が搭載されているサービスもあり、メタバースオフィスはテレワークの心強い味方ともいえるでしょう。

テレワークの強い味方「メタバースオフィス」のメリットとデメリット

メタバースオフィスを活用するにあたって、そのメリットとデメリットも解説していきましょう。

メタバースオフィスのメリット

メタバースオフィスのメリットは、大きく分けて3つあります。

一つ目が「テレワーク中の社員同士のコミュニケーションの円滑化」です。

先述の通り、テレワークでどこでも働けるようになった反面、オフィスにいた時のような「ちょっとした会話」が生まれにくいという課題があります。「ちょっとした会話」は、社員同士のつながりを強固にする他、新しいアイデアが生まれたり、ストレスの発散になったりするものです。メタバースオフィスを活用することで、これまでのオフィスのように隣の人にちょっと話しかける、先輩や上司に軽く相談をするなどの「ちょっとした会話」を実現することができるようになります。

二つ目のメリットが、「勤務状況の可視化」です。

これはテレワーク中の勤務状況を監視するという意味ではなく、例えば、Aさんは会議中、Bさんは離席中などの現在の状況が見える化できるという意味です。こうした勤務状況が可視化できることで、安心して話しかけたり、案件についてのチャットを飛ばしたりなどの対応ができるようになります。

三つ目のメリットは「オフィス賃料の削減」です。

これは実際のオフィスを解約したり、縮小したりした際に享受できるメリットですが、テレワークの普及に伴い実際にオフィスを解約し、メタバースオフィスに移行することで、賃料を大幅に削減することが可能です。

メタバースオフィスのデメリット

もちろんメタバースオフィスは良いことばかりではありません。

デメリットとしてよく挙がるのが、「社員が監視されているように感じる」という点です。メリットで「勤務状況の可視化」と挙げましたが、一方でそれを監視されていると感じる社員も少なくないでしょう。ですから、監視されていると感じさせないような運用・ルールが必要になってきます。

また、今挙げた通り「新しい運用方法・ルールの策定」も必要です。どういう状態のときにステータスを変えるのか、会議室の使用は60分までなど、会社によっては活用ルールを新たに定める必要があります。ルールの策定には社員へのヒアリングなども必要になってくるため、最初は非常に工数がかかるでしょう。

このように、メタバースオフィスはテレワーク中のコミュニケーションの課題を解消する救世主であるものの、運用していくにあたっての工数は決して少なくないのです。

まとめ

すでにメタバースオフィスを導入している企業は数千社に上ると言われています。市場としては今後もさらに拡大し、多くの企業が導入を検討していくでしょう。

テレワークで社員同士のコミュニケーションが減ってしまった、それが離職に繋がった、などの課題をお持ちの企業であれば、一度検討をしてみることをお勧めします。

メタバースオフィスを上手に活用し、さらに快適なテレワークを目指してみてはいかがでしょうか。