テレワークをしていると、オンライン会議や研修の機会がありますよね。

オンライン形式であることで、移動時間やコストが削減されたり、ギリギリまで他の予定を入れたり、作業をすることができるといった利点が挙げられる一方、対面に比べて発言がしづらい、意見が出にくい、参加者の集中が削がれてコミットメントが低下しやすいといった課題も発生しやすくなります。

会議や研修を実施するには必ず目的がありますので、こういった課題は、本来の目的を達成するための大きな障壁となり、会議や研修を企画・運営する人にとって大変悩ましい問題です。もちろん、会議に参加する側にとっても、せっかく抑えている時間を有意義に使いたいですよね。

今回は、そんな時のために覚えておきたい、テレワーク中でもできるおすすめのアイスブレイクについて、ご紹介します。

そもそもアイスブレイクとは?テレワークで困ったときに有効?

アイスブレイクとは、直訳すると「氷を溶かす」という意味になりますが、氷が張ったように緊張した場を和ませる手法のことを指します。より具体的には、その場でできる簡単なゲームやワークといったアクティビティを行うことが挙げられます。

多くの方は、学校などの教育現場や、会議や研修など仕事の中で耳にしたことがあるのではないでしょうか。ただし、自ら企画や準備をしてアイスブレイクのアクティビティを実践したことがある方は、少数かもしれません。

アイスブレイクをただのゲームと見くびってはいけません。追って説明しますが、アイスブレイクは、しっかりと意図や目的にあったものを準備することで、大きな効果を発揮します。現状は、オンライン会議や研修を企画・運営する機会が少ないという方でも、「発言がしにくい」「もっといろんな意見がほしい」という場面に今後出くわした時に役立つかもしれませんので、ぜひこの先も読み進めてみてください!

テレワークでアイスブレイクを活用するメリットとは?

緊張を和らげる

アイスブレイクの効果として、場の緊張を和らげることが挙げられます。

特に初対面の顧客や新しいプロジェクトメンバーが入っている会議、外部や他部署のメンバーが講師となる研修の場などは、独特の緊張感がありますよね。初対面ではなかったとしても、オンラインでは相手の表情や声色が読み取りづらく、いつもより緊張してしまうこともあるでしょう。このような場合にアイスブレイクを取り入れることで、場の緊張を和らげ、本題に入りやすくなります。

また、ZoomやMeet、Teamsなどのオンラインツールに不慣れであることが緊張を高めている場合もあります。そのような場合は、あえてオンラインツールの操作を交えたアイスブレイクを行って操作に慣れることで、緊張を和らげる効果も期待できます。

スイッチを切り替える

テレワーク中にオンライン会議や研修を行う場合、参加者が直前まで他のタスクを行っている可能性が高いです。また、会議や研修後に予定が入っているケースもあるでしょう。こういった場合、まだ完了できていないタスクがあったり、次の会議の準備が完了しておらず不安な状態で、頭や気持ちが目の前の会議や研修に集中しきれていない場合があります。
そのような気持ちはよく分かりますが、一旦目の前の事柄に集中する方が、より有意義な結果や結論を得られたり、予定よりも早く終えられることもあるでしょう。

立ち上がって体を動かすようなアイスブレイクは、テレワークで凝り固まった体をほぐし、血の巡りが良くなるため、気持ちや頭の切り替えにも有効です。

テレワークでアイスブレイクを有意義に活用するためのポイント

まず目的を明確にする

アイスブレイクは、ただやみくもに実施しても、十分な効果が発揮できないことがあります。テレワーク中のオンライン会議や研修にしても、社内・社外、初見・既知といった参加者同士の関係値、目的やゴールは様々です。よって、どんなアイスブレイクが効果的かは、その目的によります。

どんなアイスブレイクを行うかを考える前に、どんな効果を得るためにアイスブレイクを取り入れるのか、まずは必ず目的を明確にしましょう。

代替案を用意しておく

テレワーク中のオンライン会議や研修においては、トラブルはつきものです。
参加者や受講者の人数に変更が出たり、通信環境により画面を映すことが難しい参加者がいたりと、想定していたアイスブレイクの実施が難しくなってしまうことも考えられます。

また、当日の進行状況に応じて時間配分が変わることなどもあり得るため、オンライン時は特に、複数のアイスブレイクを準備しておくことをおすすめします。

全員が参加できるものを選ぶ

テレワーク中のオンラインの場では、全員が参加できるアクティビティを選択することが大事です。知識や経験の差で一部のメンバーしか参加できない(しにくい)、一部のメンバーしか盛り上がらないものは、アイスブレイクを実施する目的に叶いません。
迷ったときには、全員に発言の機会があるものを意識するとわかりやすいでしょう。

テレワークでもできる!おすすめのアイスブレイク5選

はじめてのメンバーがいる場合

初めてのメンバーがいる場合は、お互いに緊張して率直な意見を言いにくいこ初めてのメンバーがいる場合は、お互いに緊張して率直な意見を言いにくいことや、様子が分からずに発言を遠慮してしまうことが考えられます。このような場合は、あまり心理的ハードルの高くない、自己紹介関連のアイスブレイクがおすすめです。

・ペアを作って、他己紹介
まずペアを作り、それぞれが1分間で自己紹介をし合います。その後、自己紹介の内容をペアの相手がまとめて、「〇〇さんは…」と参加者全員の場で紹介します。

ペアの相手を紹介するために、じっくりとその人の自己紹介に耳を傾けることができますし、初めての人にとって最低1人はペアとして話をしたことがある人がいる状態で会議や研修を始められるので、緊張がほぐれて安心感が生まれます。

ZoomやMeetといったオンラインツールには、ブレイクアウトセッションという小グループをランダムで生成する機能があるので、活用してみましょう。

・共通点探し
2〜5人程度のグループをつくります。順番に「〇〇は好きですか?」「〇〇出身ですか?」等の「はい、いいえ」で答えられる質問をグループメンバーに投げかけていきます。もしグループの全員が「はい」という回答であれば、共通点発見です。

なかなか共通点が見つからない場合にも、自分の好みなどを開示することでお互いの人となりが垣間見られる他、1人だけ回答が「いいえ」の場合など「惜しい〜!」といった声が上がると場が温まります。どのグループが一番先に共通点を見つけられるかや、見つけた共通点の数を競ってみるのもいいですね。

こちらも、ブレイクアウトセッションの機能を利用することをおすすめします。

顔見知りのメンバーの場合

顔見知りのメンバーでオンライン会議や研修をする場合、集中力が削がれてしまうことや、凝り固まった雰囲気で柔軟なアイディアが得られない、といった課題が考えられます。そのような場合は、身体を動かすようなアイスブレイクや、思わずくすっと笑ったり、驚きがあるような、場を和ますアイスブレイクがおすすめです。

・「実は私」からはじめる自己紹介
顔見知りのメンバーでのオンライン会議や研修の場合、当然名前や仕事内容など基本的な情報はすでに知っていると思うので、あえて「実は私…」から始まる、他のメンバーが知らないような情報をシェアします。

何か大きなトピックや面白いことを言わなければと気負いする必要はありません。ただ、「何か話したことがない話題があるかな?」と少しだけ頭を捻ると頭をリフレッシュできたり、他のメンバーの意外な一面が伺えて「えー!そうなの〜?」など声を出してリアクションしてみることで、リラックスした雰囲気が生まれます。

・後出しじゃんけん
オンライン会議や研修のファシリテーターが「じゃんけんぽん」とポーズをしたら、他のメンバーはファシリテーターに勝てるように後出しでじゃんけんのポーズを出します。最初はゆっくりのペースでスタートし、少しずつスピードを挙げていくと盛り上がります。

始める前に「ぜひ、立ち上がって参加してください!」と声をかけたり、手首を回して簡単なストレッチを一緒に促すのも、リフレッシュができておすすめです。

オンラインツール上では、全員の画面が表示されるタイル表示にしておきましょう。

・ものでしりとり
ファシリテーターが最初のお題を出し、参加者が順番に、身の回りでしりとりにつながるものを探してきて、画面に映します。ファシリテーター「しりとり」➔参加者「りんご」を持ってくる、といった具合です。30秒など時間制限を設けると、きょろきょろ周りを探したり、大急ぎで戻ってくる人がいると、くすっと笑いも起きて、リラックスできます。

オンラインツール上では、ファシリテーターがカウントダウンタイマーの画面を共有しておいて、「3、2、1」とカウントダウンするとより盛り上がります。

アイスブレイクを活用して、テレワーク中の会議や研修もより有意義に

テレワーク中のオンライン会議や研修の場では、緊張を和ませて、その場に集中してもらうためのひと工夫が重要です。

オンラインの場で「積極的に議論に参加してほしい」「自由で柔軟な意見がほしい」「こんな堅苦しい場ではなく、リラックスした雰囲気だといいのに」など一度でも思ったことがある方は、ぜひアイスブレイクを試してみてください。

今回ご紹介したアイスブレイクは、準備もほぼ不要で、参加者の心理的なハードルが低いものばかりです。テレワーク中であっても、アイスブレイクを活用することで、会議や研修をより有意義な場にしていきましょう。