メールにチャット、メッセンジャーにLINE。業務上でも、オンラインでのコミュニケーションが当たり前になり、「いきなり電話をかけるのは失礼なこと」といった認識が持たれることもある昨今。みなさんは、毎日たくさん届く通知とどう付き合っていますか?もしかすると、「あまり意識して来なかった」という方も多いかもしれません。

テレワークをしていると、お互いの様子が見えないからこそ「連絡が来たらいち早く返さなければならない」、あるいは「在宅のはずなのに、どうしてすぐに返事を返してくれないの?」と思ってしまいがち。

そのようなコミュニケーションを続けていては、お互いにストレスが溜まりますし、効果的なテレワークは実現できません。

そんなときこそ気をつけたいのが、今回ご紹介する「通知との上手な付き合い方」です。

非同期コミュニケーションと同期コミュニケーション

コミュニケーションの手法として、同期コミュニケーションと非同期コミュニケーションとを区別することがあります。

同期コミュニケーションとは、相手と同じ時間を共有する・同期する必要のあるコミュニケーション方法。電話や打ち合わせ、会議などがそれに当たります。

一方、非同期コミュニケーションとは、相手の時間を選ばず、リアルタイムな疎通を問わないコミュニケーション方法。つまり、メールやチャットなどです。

非同期コミュニケーションのメリットとデメリット

ほんの数年前、ビジネスにおけるチャットやメッセージツールといったオンラインコミュニケーションツールが台頭し始めたころは「非同期コミュニケーションは画期的で、業務の効率化に寄与してくれるだろう!」と期待されました。
非同期コミュニケーションは、時間を選ばないために、テレワーク中の作業を中断することなく集中できたり、いつ確認や返信をするかを自身で決められることでタスク管理が容易になるほか、即時の判断が迫られないため熟考できるなどのメリットがあるためです。

ただし、テレワークが推進されてくるにつれ、テキストでは伝えきれない情報があったり、重要な連絡事項が拾いきれず確認漏れが出てしまうなど、非同期コミュニケーションのデメリットも明らかになってきました。

効率化の果てに、テレワーク疲れ?

オンラインでのコミュニケーションが主流になってくると、当初の期待に反し、チャットやメッセージアプリもリアルタイムでの反応が期待されるようになってきました。つまり、非同期ではなく、同期コミュニケーションとして利用されることが増えたのです。

いつでもどこでも繋がってしまうがゆえに、深夜や休日に連絡が飛んだり、気軽にコミュニケーションできるがゆえに、即時の返信が過度に期待される。

これがいわゆる、テレワーク疲れの一因となっているのでしょう。

そこで重要となるのが、「通知によっていかに思考が分断されるのか理解すること」と「通知を意図的にコントロールすること」です。

テレワーク中は、意識的に「通知オフ」を実践しよう

オンラインコミュニケーションツールなどの通知をチェックをするために作業を中断したとき、私たちの脳にどんな影響があるのかを知っていますか?

実は、再び集中力を取り戻すために、25分もの時間を要すると言われているんです。

つまり、通知を逐一チェックしていては、一日中ほとんど集中状態が確保できないことになってしまいますね。

テレワークをより快適に実行するためには、集中したい時間帯だけ通知をオフにするなど、しっかりコントロールすることを心がけましょう!

1. アプリごとの通知設定

まず、チャットやメッセージアプリといったオンラインコミュニケーションごとに通知設定を見直すことをおすすめします。

アプリにもよりますが、一般的に[設定]メニューから[通知設定]を見つけることができます。

通知設定は、「1時間、8時間、12時間」といった選択肢から通知オフの時間を選べる場合や「何時〜何時まで」の時間帯だけ通知をオフにできるものなど様々です。

Chatworkの例(休日や平日の任意の時間帯だけ通知オフにする場合)

Slackの例(通知スケジュールで任意の時間帯だけ通知「オン」にする場合)

LINEの例(通知の一時停止をする場合)

また、利用しているアプリがたくさんある場合などには、端末自体の通知設定を見直すのもよいでしょう。すべてのアプリの通知を一定期間、一切ストップしてしまう設定で、任意の時間帯のみ通知をオフにすることもできます。

2. 端末自体の通知設定

iOSの例(おやすみモードの場合)

Androidの例(通知の鳴動制限の場合)

通知オフが不安なら「ホットライン」を作っておこう

すべての通知を切ってしまうのが不安という場合には、事前に「ホットライン」を用意しておくのがおすすめです。つまり、必ず繋がる連絡手段を用意しておくということです。

例えば「急ぎではない用事はチャットで、〇〇に関わる緊急の用事は電話で」といったルールを作って仕事相手に伝えておけば、お互いに時間の優劣がつき、不用意にイライラしたり、心配することはありません。

ただし、一方的にルールを決めて通知するのではなく、お互いに心地の良いルールを探して、共有できると良いでしょう。

通知と上手に付き合い、快適なテレワークを

オンラインのコミュニケーションが当たり前となり、常時つながれる時代だからこそ、つながらない時間を確保することが大事です。

この機会にぜひ、通知設定を見直し、快適なテレワークを実現しましょう。