「先の見えない在宅勤務にうんざり。」「人に会う機会が減ってしまった」「なんだか心が晴れなくて、頭の中がモヤモヤ…。」「オンオフの切り替えをするのが苦手」など 、テレワーク生活にストレスを感じていませんか?

テレワークが普及するにつれて、『テレワークうつ』などテレワーカーのメンタルヘルスが問題になっています。

また、最近のメンタルヘルス領域では、ストレス耐性の強さよりも、レジリエンス(ストレスを受けた心の回復力)を身につけよう、という考え方が主流になってきました。ストレスを解放したり、傷ついた心を癒したりする方法は、多く知っているほど役立ちます。

今回は、ストレスを抱えたテレワーカーにおすすめの、ジャーナリングについてご紹介します。

テレワーカーにおすすめなジャーナリングとは何か?

ジャーナリングとは、『journal』すなわち、日誌、日記、議事録と言った言葉から来ていて、いま自分の頭に浮かんだことや感じていることなどを紙に書き出すことを言います。

頭の中だけで考えていると、ついつい過去の出来事を思い出したり、将来の心配をしたり、「いま」に集中することが難しくなります。そこで、実際に自分の手を動かして書き出すことで、「いま」自分が考えていることや感じていることと向き合うことができるため、マインドフルネスを実現する一つの方法とも言われています。

なぜテレワーカーにジャーナリングがおすすめなのか

ジャーナリングはマインドフルネスを実現する一つの方法と書きましたが、マインドフルネス、つまり自分がいまに集中している状態では、ストレスから開放され、リラックスすることができると言われています。

テレワークで、自宅に籠もりがちになったり、人と会う機会が減ってストレスを抱えているテレワーカーにとって、ジャーナリングは簡単にマインドフルネスが実現できるおすすめの方法なんですね。

また、ジャーナリングで注目したいのが、振り返りの効果。

”思考”や”感情”・”状況”・ ”情報” などを文字(絵でもよい)に表面化することで頭の中だけで考えるよりも、客観的に捉えやすくなると言われています。

もちろん、素直な感情を吐き出すことにもつながります。“いま、ここにある自分の本当の気持ち”や、自分の思考の癖がわかれば、状況を冷静に対処する方法や、自分の意識に意外な発見、楽観的になれるヒントが隠れているかもしれません。

大手グローバル企業では、チーム内でお互いのアイデア共有や意見交換のツールとして、その他”リラックスのため”や”目標達成のため”など目的別にジャーナリングを使い分けているところもあるようです。

モーニングページといって、朝のルーティンとして用いると、頭も心も思考の整理ができ、気持ちよく仕事を始めるのにも役立ちます。また、寝る前にジャーナリングを行うのもおすすめです。就寝前に、スマホやPCなどデジタル機器から離れた時間を確保して、書くことに集中することで、その後の眠りの深さが違うと言われています。

参考:気持ちの良い1日のスタートを切る秘訣!モーニングページとは?

テレワーカーがジャーナリングを実践するときの“ルール”

ジャーナリングには、細かいルールは一切ありません。
紙とペンだけ用意して、あとは思いのままに、紙に書き出していくだけです。

時間は5分〜20分程度でOK。時間になったら、簡単な振り返りができるとなお良しです。

例えば、頭や心にネガティブな感情が浮かんでいるとしたら、それらも全部書き出してみましょう。書き出したあとに、クシャクシャ、ポイっ!とゴミ箱に捨てることで、きっとネガティブな感情も手放すことができるでしょう。もしくは、継続的にノートに書き出していくことで、週ごとや月ごとなど、自分の考えや感情の変遷を振り返ることもできます。

ジャーナリング初心者のテレワーカーへのアドバイス

何を書けばよいか迷ったら

ジャーナリングをやってみようと思いつつ、最初は「何を書いたらわからない!」と戸惑うかもしれません。そんなときはテーマを一つ設定してみましょう。

例えば「住みたい家」とテーマを決めたら、「海のそば」「近所に美味しい蕎麦屋」「大きな窓」「日当り重視」「駅から近い」「カーテンの色」「クッションカバー」などと、どんどん書き出してみるのです。

自分の思いや考え・感情と、他人の考えや周囲の状況とを切り離して考えることで、悩んでいたことの解決方法や、自分の好きではないもの、喜ぶポイントなど、自分を知るきっかけになることがわかると、筆が止まらなくなるでしょう。

「感情」に注目してみる

ジャーナリングでは、心にストップをかけずに、人に言えないようなことも、とにかく書き出してみるのが大事です。

最初のうちは、「考え」「アイディア」などが多くなるかもしれませんが、ぜひいまの自分の「感情」にも注目してみましょう。「いらいらしている」「不安を感じている」「わくわくしている」といった感情を書き出し、反芻してみることで「ああ、私はいまどうしようもなく不安な気持ちでいっぱいなんだね」と声をかけてあげることができます。これは、自分自身を受け入れるセルフコンパッションにも繋がり、リラックス効果が高まります。

快適なテレワークを実現するために、“楽しく”ジャーナリングしよう

ジャーナリングをするための筆記用具にこだわるのもおすすめです。書きやすい太さや、色、書き心地の良いペンや鉛筆、紙の厚さや、色、罫線、ノートの大きさなど、好みの文房具を選べば、さらに心地良い特別な時間になるでしょう。お気に入りを選ぶ=自分と向き合うと言えます。

みなさんが、感情を上手にコントロールして、快適で健康的なテレワークライフを送れるよう願っています!