お正月休みが明けて、テレワーカーのみなさんも忙しく仕事に向かわれていることと思います。

しかし「仕事のトラブルでお正月休みどころではなかった」「去年のテレワーク疲れを今年に持ち越してしまった」「寝正月ですっかり体が鈍ってしまった」「実家に帰省している間につい食べすぎてしまった」など、気持ちのよい1年をスタートしようと思っていたのに、現実には上手くスタートが切れていないと感じている方もいらっしゃるかもしれません。

年末年始に、今年の振り返りや翌年の目標を立てることで「頭や思考」を整理しようとする方は多いですが、「身体」のメンテナンスはできていますか?

今回は「まだ気持ちのよい1年のスタートをきれていないな…」と感じるテレワーカーのみなさんにもおすすめな、ファスティング(断食)についてご紹介します。

ファスティング(断食)とは?

ファスティングは、英語のFastという言葉から来ていて、一定の期間食事をとらない、いわゆる断食のことです。

朝食のことを英語でBreakfastと言いますが、夜から朝にかけてのfast(食事をとらない期間)をbreakする(破る)最初の食事だから、Breakfastと言うのですね。

ただし、現代の私たちの生活では、夜遅くまで飲み会や食事をしていたり、日中もつい何かしら口にしていたりと、食事を断つ時間が短くなっています。そうすると、食べたものを消化するために常に胃腸が働き続けるため、身体を十分に休ませることが難しく、また老廃物も蓄積されていってしまいます。

日本語で断食というと、宗教的な儀式のイメージがあったり、厳しい修行のような印象を持つ方も多いかもしれませんが、最近ではファスティングという横文字で表現されることも多く、身体をすっきりリフレッシュする手段として注目されています。

ファスティングの効果は、ダイエットだけではない!

ファスティングをすることで胃腸が休められることは想像しやすいですが、それ以外にも多くの良い効果があります。

体内の老廃物を排出する

ファスティングにはいくつかのやり方や種類があるのですが、多くの場合は「固形物」を摂らない期間を設けることを意味します。固形物を摂らないことで、体内に蓄積された老廃物や毒素の排泄を促す効果があります。

腸内環境が改善される

昨今「腸活」という言葉が出てきたように、腸という臓器の重要性が注目されています。腸は第二の脳とも呼ばれていて、脳からの指令がなくても自律的に判断して、他の臓器に直接働きかけることができる重要な臓器です。腸の調子を整えることは、私たちの健康に直結します。

腸内にはさまざまの細菌が住みついていますが、大きく悪玉菌と善玉菌に分類され、悪玉菌が増えすぎると老化や腸内の腐敗の原因になると言われています。ファスティングをすることで、腸内環境がリセットされ、理想的な善玉菌優位の状態になりやすくなることが期待できます。

痩せる

ファスティングは、ダイエット効果を期待して実施される方も多いようです。固形物を摂らないので当然痩せるだろうと思われるかもしれませんが、単に食べる量を減らしているから痩せる訳ではありません。ファスティングにより摂取カロリーが抑えられることで、体内にすでにある脂肪を燃焼して何とかエネルギーを作り出そうとするため、体脂肪の減少=痩せる効果が期待できるのですね。

ファスティングがテレワーカーにおすすめな理由

ファスティングはさまざまな方におすすめできるのですが、特にテレワーカーのみなさんにおすすめの理由があります。

まずは、食の誘惑を受けにくいこと。
特に初めての断食中は、気づけば食事の事ばかり考えていることに驚かれると思います。そんな中で出社など外出をすると、レストランやコンビニがすぐ目に入りますし、電車や街角の広告などにも食に関する情報は溢れていて、誘惑を受け続けることになります。一方、自宅でテレワークをしている場合には、外部からの情報が勝手に入ってきてしまうことが少なく、ファスティングをするには良い条件と言えます。ちなみに、何かに集中していた方が食へ意識がいくことを防げるので、休日よりも仕事がある平日にファスティングをするのがおすすめです。

もう一つは、予定を自分で管理しやすいこと。
ファスティングを開始もしくは継続するために大きな障壁となりうるのが、予定の管理。例えば、オフィスに出社した場合に急な会食に誘われたり、誘われる可能性があると思うとなかなか予定が立てられず、ファスティングが開始できなかったり継続が難しくなってしまうことがあります。一方、普段からテレワークをしている方は、基本的に自分のリズムで仕事の予定を立てていて周囲からの影響も受けにくく、ファスティングに取り組みやすいとも言えるのです。

ファスティング(断食)のやり方

ファスティングにはさまざまなやり方があり、半日〜5日間ほどで実施することが多いのですが、今回は3日間ファスティングを行う場合を例にご紹介します。

基本的には、以下のような3ステップとなります。

準備期(1〜2日間)

ファスティングをいきなりはじめるのはおすすめしません。必ず、準備期間を設けて、和食など胃腸に優しい食材を用いた準備食で徐々に身体を慣らしていきましょう。揚げ物やアルコール、糖質の多いものも避けるようにします。

ファスティング期(3日間)

3日間、固形物をとらないで過ごします。水分は1日最低2リットルとるようにしますが、おすすめなのは酵素ドリンク。酵素ドリンクとは、野菜や果物などを、素材や菌が持つ酵素と微生物自体の働きによって発酵させた植物発酵飲料です。身体に必要な栄養素を補うことができるので、ファスティングには相性が抜群で、お腹が減ったときにはいつでも飲んでOKです。

もし酵素ドリンクの味に飽きてしまった場合には、塩をひと舐めしたり、梅干しを1〜2個お湯に入れた梅湯にして飲んでみましょう。

回復期(2〜3日間)

実はファスティングでとても大事なのがこの回復期。ファスティングを終えたばかりの胃腸は、きれいにリセットされてとてもデリケートな状態。いきなり固形物をたくさん摂取したり、胃腸に負荷の大きい食材を食べてしまうと、かえって身体の不調を招く可能性があり危険ですし、せっかく腸の吸収力の高まった状態で油や過度な糖質、添加物を摂取するのはファスティングを台無しにしてしまう行為です。

準備期と同様に、野菜を中心とした和食などを少しずつ食べるようにしましょう。ファスティング後の善玉菌優位の環境を維持するためには、発酵食品や食物繊維の多い食材もおすすめです。

テレワーク×ファスティングで、気持ちの良い1年をスタートさせましょう

腸の調子を整えることで、体内の老廃物を排出し、ダイエット効果も期待できるファスティング。もちろん、年中いつでも実施することができますが、お正月休み明けなど、身体をしっかりメンテナンスして気持ちのよい1年をスタートしたいこの時期にはとくにおすすめです。

テレワーク中には特に取り組みやすいので、ぜひトライしてみてはいかがでしょうか。