デスクに向かって長時間テレワークをしていると、身体が疲れてしまい、眠気が襲ってくることがあるかもしれません。慣れている仕事でも眠くなると生産性が下がり、ミスが発生しやすくなります。近年では、企業においても従業員の生産性アップのために仮眠時間「シエスタ」を設けるケースがあるようです。

本記事ではテレワーカー向けのシエスタの活用方法について、解説していきましょう。

シエスタとは

シエスタ(siesta)とは、スペイン語で昼休みを意味します。13時から16時(状況によっては17時までの場合あり)にかけて昼寝などをして身体を休ませることができる長めの休み時間です。現地では銀行の窓口やお店が一旦お休みとなります。

スペインの場合、日中の気温が高くなる気候のため、昼間の外出を控えることが多いことからシエスタが始まったといわれています。

ビジネスシーンでシエスタが普及した背景

仕事に追われて十分な休憩を取らず長時間労働になると、睡眠不足になったり、体内リズムが崩れたりと、不調が発生しやすいといわれています。そうすると、生産性も下がり、ケアレスミスが多くなります。

このような改善策の一つとして、1日のなかでも疲れを感じるお昼過ぎの時間帯に仮眠を取ることで、心身をリフレッシュするシエスタが普及するようになりました。

テレワーカーがシエスタを行うメリット

テレワーカーがシエスタを実施するメリットは次の3点です。

午後以降の生産性が上がる

昼食後の13時台になると午前の疲れが出てきて、集中力が下がり、パフォーマンスが落ちやすくなります。昼食後に15~20分くらいの睡眠を取り入れることで、頭がスッキリし、生産性のアップが期待できます。

また、厚生労働省健康局が発表した「健康づくりのための睡眠指針2014」でも、「午後の短い昼寝で眠気をやり過ごし能率改善」という内容に触れています。

仕事のミスが生じにくくなる

集中力が下がると、ミスも増えてしまいがちです。たとえ慣れている仕事や単純作業であっても、集中できていない状態ではミスを誘引してしまいますし、適切な判断が難しくなります。シエスタで身体を休めることで、ミスが生じにくくなるかもしれません。

体力が回復し、集中力がアップする

20分程度と短時間のシエスタですが、長時間の睡眠を取るよりもむしろ、体力が回復し、集中力がアップすると言われています。近年では、福岡県久留米市の県立高校と岐阜県大垣市の公立中学校でもシエスタの時間を設け、体力と集中力がアップしたなどの嬉しい声が挙がっているそうです。

テレワークでシエスタをするときの心構え

テレワーカーがシエスタをする際は、以下の3点を心がけましょう。

タイマーを設置し、短めにシエスタをする

スペインの一般的なシエスタはランチ後の3~4時間ですが、仕事中のシエスタは夜の睡眠にも影響があるため、長くても20分が有効です。昼間に長めの睡眠を取ってしまうと、体内リズムが崩れるので、タイマーを入れてシエスタをしましょう。

夕方以降にシエスタの時間を設けない

テレワーク開始時間が遅めだと、お昼の時間も後ろにずれ込みがちです。そのままシエスタの時間まで遅くなってしまうと、夜型生活になり良質な睡眠を得にくくなる可能性がありおすすめではありません。健康のためにもシエスタをする時間帯は14時半までにするといったルーティンを作りましょう。

雑音をシャットアウトし、光をあまり入れないようにする

短時間で深い眠りにつく場合、雑音があると浅い眠りになることがあります。加えて、窓から差し込む日差しが強かったり、天井の電気がついていたりすると、眠りにつきにくくなるかもしれません。シエスタモードに入る場合は、電気を暗めにし、耳栓やアイマスクを装着することをおすすめします。

テレワークのシエスタ習慣で生産性を上げよう

近年、生産性を上げるための情報や手段は数多くありますが、そのなかでもお昼過ぎに短時間仮眠するシエスタは、テレワーカーの健康面から見ても有効な手段と言えます。シエスタの目的やメリット、心構えを知ったうえで、時間をコントロールしながら、生産性を上げていきましょう。