働き方改革の取り組みや、新型コロナウイルス蔓延の影響により、夫婦揃ってテレワークをされている方も少なくありません。テレワークが普及し、仕事場所と育児を行う場所が同じになったことによって、育児時間はどのように変化したのでしょうか。

今回は、株式会社LASSIC(以下、LASSIC)が行った調査結果をもとに、コロナ禍のテレワークと育児の両立状況について解説していきます。

テレワークでどう進んだ?「仕事と育児の両立」の現状

LASSICが全国のテレワーク/リモートワークを経験したことがある男女を対象に行ったアンケート調査結果によると、「どちらかというと、仕事と育児の両立はできている」と答えた人が男女ともに最も多く、4割を超えていることがわかりました。

「Q.仕事と育児の両立ができていますか?」

また、「仕事と育児の両立はできている」と答えた人も合わせると、男性は約67.6%、女性は約75.8%もの人が仕事と育児を両立できているようです。

その一方で、残念ながら男女ともに3割近くの人は「うまく両立ができていない」というのも現実です。

女性の約4割、男性の約3割がテレワークで育児時間が増えた!それでも・・・

テレワークの導入によって、育児に充てる時間はどのように変化したのでしょうか。LASSICの調査をさらに見ていきましょう。

<女性の約4割、男性の約3割がテレワークで育児時間が増えたと回答>
「Q.テレワーク後に育児に費やす時間は変わりましたか?」
調査結果によると、「テレワーク後に育児に費やす時間は変わりましたか?」という質問に対して、「1日の育児時間は変わらない」と答えた人が最も多く、男女ともに4割を超えていました。

その一方で、テレワーク後に育児に費やす時間が増えたと回答している人は女性で計39.7%、男性で計31.7%にものぼりました。これは、テレワークにより自宅にいる時間が増えた影響ではないかと予想することができます。

<両立ができていない方はこんな理由も…>
同調査では、仕事と育児の両立ができていない理由についても尋ねています。

「Q.仕事と育児の両立が出来ていない、その理由をお知らせください。」
最も多かったのは「周囲のノイズ、騒音が気になる」という理由で、男性で約4割、女性で約3割の人が回答しています。

特に小さなお子様のいるご家庭では、子どもだけで静かに過ごすのもなかなか難しいですし、育児と仕事を同時にこなすのも至難の技です。ミーティングの際にお子様の大きな声が聞こえてきて、ヒヤヒヤした経験のある人もいるのではないでしょうか。

また、仕事用の環境が整っていない自宅では「インターネット回線が不安定でストレスになる」と答えた人が男女ともに20%を超えていました。中には、自宅にいる子どもが同じ回線で動画を視聴しているのが原因で、インターネット環境が不安定になるという方もいるようです。

<調査概要>
調査期間:2020年9月1日~2020年9月4日
調査対象:全国20歳〜65歳のテレワーク/リモートワークを経験したことがあるワーキングパーソン男女1077名
調査方法:インターネット調査

出典元:株式会社LASSIC (https://www.lassic.co.jp/)

テレワーク中のパパ・ママたちの育児アイデアはこれだ!

ここからは、テレワーク中に育児と仕事をうまく両立させるためのアイデアをいくつかご紹介します。

<動画を有効活用>
最近では、「将来の夢はYoutuber!」と答える小学生が多数見かけらるくらいに、Youtubeなどの動画視聴サービスは子どもたちのマストアイテムですよね。

おもちゃでの遊びや読み聞かせなどと違い、動画視聴は親の介入なしに静かに過ごすことができます。

長時間にわたっての動画視聴はあまり好ましくないかもしれませんが、たまには映画やテレビなどを観せてあげると、子どもたちの感受性を育てる手助けにもなります。どうしても子どもたちから離れて集中したい!というパパ・ママはぜひ動画の力を借りてみてください。

<子どもだけで遊べる工夫も>
作業時間を確保するためには、子どもたちだけで遊んでもらう必要があります。

例えば、一人で集中して遊ぶようなブロックおもちゃや、工作の道具を用意しておくというのも一つの方法です。こうした遊びは、一度集中し始めるとしばらくは子どもたちだけで静かに遊んでくれることが多いです。

また、オンライン学習の講座を受講するのもおすすめです。テレワークをきっかけに学習の習慣を身につける良い機会になります。

他には、かなりマイナーな方法にはなりますが、簡易テントを用意すると、1日中子どもたちがテント内で過ごしてくれたので集中できた、という例もあります。

<そもそも仕事のやり方を変えてみる>

子どもたちに静かに過ごしてもらうことも重要かもしれませんが、現実にはなかなか難しいですよね。いっそのこと、子どもたちがいることを完全に割り切って考え、仕事の方法を変えてみるというのもおすすめです。

例えば、仕事をPCではなくスマホでの作業に切り替えるという方法があります。PCでの作業はどうしても作業場所が固定されてしまうので、子どもたちのいる場所に合わせて移動させることが難しいです。どこでも操作可能なスマホに切り替えることによって、子どもたちと過ごしながら仕事も進められ、ストレスが軽減できるかもしれません。

他には、Web会議の時にあえて子どもたちに挨拶をしてもらうという方法があります。どう工夫しても子どもたちの声が聞こえてしまうのであれば、顔が見えた方がお互いに安心できますよね。

また、夫婦でテレワークをしている方はお互いのミーティング予定を考慮して、育児のシフトを組んで乗り切るという方法も効果的です。