世界的な新型コロナウイルス蔓延の影響により、自宅でテレワークをされている方も多いのではないでしょうか。実は、コロナ禍のテレワークで生活リズムが乱れ、不眠になる人が増えているそうです。
今回は、コロナ禍のテレワークで不眠になってしまう原因と、その対策方法についてご紹介します。
コロナ禍で不眠が増えている
東京都市大学建築都市デザイン学部は、2021年3月、「全国の25〜49歳、フルタイム正社員で働くオフィスワーカーの男女600名」を対象に、コロナ禍の在宅勤務と睡眠の質についての調査を行いました。
調査結果によると、約5人に1人が「コロナ禍になる前と比べて生活リズムが乱れている」と感じており、特にテレワークを取り入れている人においてその傾向が顕著に見られました。
また、コロナ禍で睡眠に何らかの課題を感じている人も一定数存在し、およそ3人に1人が新型コロナウイルスの流行前に比べて「寝ても疲れが取れなくなった」と回答しています。
では、なぜテレワークが不眠に繋がるのでしょうか。
なぜテレワークで不眠になってしまうのか
自然光を浴びる時間の減少
一つ目の理由として、自然光を浴びる時間の減少が考えられます。
テレワークで、1日の生活のほとんどが家の中で済んでしまうようになり、自然光を浴びる時間は必然的に減少してしまいました。自然光は、場所/時間帯/天候などにより光の状態が変化します。一方、私たちが家の中で浴びている照明の光は、常に一定です。
先述した東京都市大学建築都市デザイン学部の調査によれば、私たちが日中浴びている照明の光は自然光に比べて照度が低く、逆に夜は自然光よりも照度が高すぎるという結果が出ています。
私たちは、昼間と夜の光の強さや色の違いによって体内リズムを整えているということですね。それにもかかわらず、テレワークで一日中同じ強さの光を浴びることによって、体内リズムが整えにくくなってしまっているようです。
新しい働き方への不安・緊張

もう一つの理由として、テレワークという新しい働き方への不安や緊張が影響を及ぼしている可能性があります。
人は、極度の不安や緊張の状態が続くと、体が疲れているにもかかわらず脳が興奮状態になってしまいます。その結果、就寝時間になっても眠れず、眠れないために夜更かしをしてしまい、翌日にも響くというような悪循環に陥ってしまうのです。
このような事態を避けるためにも、極力ストレス環境を避けたり、溜まってしまったストレスはこまめに発散したりするなどの工夫が必要です。
テレワークによる不眠を解消するには?
ここからはテレワークによる不眠を解消するための方法を3つご紹介します。
起きたらすぐに太陽光を浴びよう

まずは、起床したらすぐに太陽光を浴びるようにしましょう。
先ほどもお伝えした通り、人の体内リズムは自然光によって整います。ポイントは、太陽光の入る窓のそばに立ち、15秒以上光を浴びることです。そうすることで、目が覚めて脳がスッキリし、14〜15時間後に「メラトニン」という睡眠を促すホルモンが分泌されるようになります。
朝一番にしっかりと太陽光を浴びて体内リズムをリセットし、規則正しい生活を心がけましょう。
寝室の照明を自然光シンクロ照明に
次にご紹介するのは、「自然光シンクロ照明」です。
なるべく自然光を浴びた方が良いとわかっていても、自宅でほとんどのことを済ませられるテレワーク時代において、毎日外に出るのはなかなかハードルが高いですよね。そんな時におすすめしたいのが「自然光シンクロ照明」です。
太陽光は、昼間の明るい時間帯には白っぽい光、朝や夕方の光が弱い時間帯にはオレンジっぽい光を放っていますよね。「自然光シンクロ照明」とは、太陽光のように、照度を高くすると白っぽい光になり、照度を低くするとオレンジっぽい光を放つ照明のことです。
「自然光シンクロ照明」をうまく活用すれば、家の中にいながら屋外と同様の光環境を作ることができるんです。
さらに、就寝や起床の時間に合わせて光の強さを段階的に調節することで、より効果が期待できます。
ストレスが原因なら不眠症外来も
ここまでは不眠に対応するテクニックをご紹介しました。
しかし、睡眠に課題を感じている人の中には、ご紹介したようなテクニックでは不眠が解消しない人もいるのではないでしょうか。
その場合は、ストレスが不眠の原因になっている可能性があります。
色々な方法を試してもなかなか改善されなかったり、不眠の状態が長く続くようであれば、病院にかかることも選択肢として考えてみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ご紹介した不眠対策の中でも、一つ目の「起床後に太陽光を浴びる」というのは、すぐに取り入れられる簡単なものです。
不眠でお悩みの方は、この機会にぜひ試してみてください。