コロナ禍でのテレワーク。ずっと自宅で仕事をしていると、集中できたり、家族との時間が確保できる、ストレスだった通勤時間がゼロになるといったポジティブな影響がある反面、外出等が制限され気分転換が難しかったり、同僚とのコミュニケーションが減ってしまうことなどによる、メンタルへのネガティブな影響も出てきてしまいます。

実際に、テレワークの推進によりストレスが「とても増えた」「やや増えた」と感じる人が、6割近くという調査結果も出ています。

出典:『月刊総務

そこで今回は、少人数からできる、メンタルケアにおすすめのワークを紹介します。

テレワーク下で対策急務!深刻化するメンタルヘルス

緊急事態宣言や蔓延防止措置が発出される中、冒頭に書いたようなシチュエーション意外にも、

「今年も帰省を控えるべき?」
「ワクチン打つ?打たない?」
「子どもを保育園に預けるのが不安…でも仕事も休めない…」

など、最終的に個別の判断に委ねられる事柄が多く、どうすればよいのか決めかねたり、家族や友人と意見が分かれて気まずくなったりすることで、不安やストレスが増幅してしまっているように思います。

私も、クライアント様との会話で「社員のメンタルケア、どうしてますか?」「何か対策してますか?」という会話を何度もしています。

私の会社では、いつでも気軽に話しかけられる雑談チャットを準備したり、つねにオンライン会議ツールをつなげておくなどの対策を実施しているのですが、それでもテレワークが長期化してくると、変化をつけることも大事です。

そこで、社員の学習支援をお願いしている方と一緒に考案したワークが、今回ご紹介する「ありがとうワーク」。オンラインで少人数でも実施できるので、ぜひ試していただきたいです。

「ありがとうワーク」とは?

「ありがとうワーク」とは、オンラインでできるアイスブレイクの一つです。やり方は至ってシンプル。参加するメンバーが順番に、感謝している「こと」や「もの」、「人」を発表していくというもの。

例えば、

Aさん:私はパソコンに感謝しています。こうやってみんなとオンラインで会話ができるからです。
Bさん:娘にありがとうと伝えたいです。昨日、サプライズで私の誕生日を祝ってくれたんです!
Cさん:外出制限のおかげで、料理という新しい趣味ができました!ありがとう。
Dさん:今日も、健康でいられることに感謝です。
Eさん:高速なネット環境のおかげで、大好きな映画が快適に見れるので、感謝しています。

といった具合です。

参加する人数にもよりますが、1人につき2〜3回の発表、もしくは全体で10〜15分くらいを目安にすると良いと思います。また、それぞれの発表に、拍手をしたり、「うんうん」と頷いたり、「お〜、いいですね〜」と簡単なリアクションをするとより効果的です。

会議の合間や朝礼などの冒頭で実施してみるのがおすすめです。

“感謝”を言葉にすることの大きな効果

とても簡単でシンプルなワークなのですが、メンタルケアとしておすすめするのには理由があります。

実は、「ありがとう」という感謝を言葉にすることで、幸福度がアップしたり、ポジティブな思考を増幅させたり、自己肯定感をアップすることに繋がるということが、科学的に証明されているのです。

詳細が気になる方は、こちらの記事を参照してみてください。
28 Benefits of Gratitude & Most Significant Research Findings

実際、私の会社のメンバーでこのワークを試した際、最初はちょっと照れ臭い感じもしたのですが、ワークが終わったときのなんだか温かく気持ちがほぐれたような感覚は、不思議なものでした。

自分の中で、普段は意識していないけれど感謝していることやもの、ひとを想像してみる作業自体にも癒しの効果があるのと、自分以外の人の「感謝」の気持ちやエピソードを聞くということも、メンタルケアによい効果を発揮するようです。

感謝を書き出してみるのもおすすめ!

仕事仲間などとのワークが難しい場合は、家族や友人とやってみるのもおすすめですが、自分ひとりのときには、感謝の気持ちをノートなどに書き出してみるのもよいでしょう。

不安や憤り、怒りといった感情は影響力がとても大きく、無意識のうちにそれが心の大部分を占めているように感じられたりするものですが、この「感謝」を書き出すという作業を通じて、「実はこんなに感謝したい事柄があったんだな」「私、がんばってるなあ」「ああ、このひとにも感謝の気持ちを伝えたいな」「思っていたより、わたし幸せだな」といった具合に、自分自身を癒してあげることができるはずです。

ありがとうワークで、テレワークのメンタルケアを

誰も経験したことがないコロナ禍のテレワーク。業務を遂行する上での環境づくりのみならず、メンタルケアは、テレワークを推進する企業、個人の大きなひとつのタスクともなりつつあるようです。

今回ご紹介した「ありがとうワーク」はどこでも簡単に実施できます。メンタルケアってどうしたらいいの?と迷ったときなどに、ぜひ試してみてください。