テレワークをしていると、誰かに話しかけられたり、作業を中断されないことで集中できるという利点もありながら、休憩時間の取り方が難しかったり、誰かにちょっと聞きたいことがあっても話しかけられないことに、もどかしさを感じたことはありませんか?

そんなときは、気の置けない仲間や同僚たちとの雑談チャット(もしくはビデオ会議)を作っておくのがおすすめです。

テレワークでの悩みの多くは「コミュニケーション」

テレワークが一般的になりつつある中、テレワーカーへの様々な調査で、その課題感が明らかになってきました。なかでも、つねに上位に食い込むのは「コミュニケーション」課題。

オフィスに出社していたときは、話しかけられる人が身近にいたのに、リモートワークでは一人作業が基本。

「メールや電話をするほどでもないかな、と考えてしまいちょっとしたことが聞きにくい」
「上司への気軽な相談ができなくなった」
「集中できるのはいいけど、リラックスする時間が上手につくれない」
「相手の様子が見えないので、電話するタイミングも躊躇してしまう」

など、コミュニケーションを課題に感じるシーンが増えているようです。
どうしたら、テレワーク下でもよりよいコミュニケーションを実現できるのでしょうか?

雑談チャット(ビデオ会議)のススメ

そんなときにオススメしたいのが、雑談チャット(もしくはビデオ会議)を作ることです。

私が勤める会社は、以前より、ビデオ会議ツールで各拠点を常時繋ぐという取り組みをしてきました。大きめのモニターに、各拠点が映し出されていて、お互いの様子が確認できるというものです。もともとは、同じ会社であっても、拠点が離れていると異なる文化が形成されたり、情報のばらつきが発生してしまう、といった懸念から始まった取り組みでした。

当初「お互いに監視されているようで居心地が悪いのでは?」という声もあったのですが、実際にはじめてみると、そのような心配は稀有で、それ以上にメリットがあることがわかってきました。

それは、相手の様子を気遣いながらも、気軽に話しかけられる文化が構築できたことです。

普段は、お互いの音声(マイク)をオフにしているのですが、何か業務上のやりとりが必要なときはマイクをオンにして「〇〇さん、いまちょっといいですか〜?」と話しかけます。すると、必要なやりとりができるだけではなくて、実際にその会話に参加していないメンバーも「〇〇さんは普段こんな業務を担っているんだな」とか「〇〇さんってこんな話し方をする人だったんだ」など、些細な情報が耳に入るようになります。もちろん、そこから雑談が生まれたり、他のメンバーが会話に参加することだってあります。

こういったコミュニケーションが実現できるようになったことで、結果的に業務効率も向上していきました。

そこで、会社などの拠点間だけでなく、テレワークにおいても、このようなコミュニケーションを実現する手段として、雑談チャット(ビデオ会議)をおすすめしたいのです。

雑談チャット(ビデオ会議)の使い方

私の会社では、業務上のやりとりの目的で、かつビデオ会議ツールを利用していましたが「そこまではちょっと…」「ネット回線が重たくなってしまうのは嫌だ…」といったケースにもおすすめなのが、チャットツールを使う方法です。

この雑談チャットの目的は、必ずしも業務コミュニケーションの直接的な課題解消ではなく、安心して連絡が取り合える関係性の構築、もしくは人の繋がりから感じられる安心感やリラックス状態を創り出すことです。心理的安全性と言われることもありますね。なぜなら、心理的安全性が確保できれば、業務上必要なコミュニケーションへの躊躇や懸念点は自ずと解決していくからです。

まずは、社内メンバーやチーム、フリーランスの仲間などで、チャットグループを作りましょう。
細かいルール設定は不要ですが、大事にしてほしいのは、

・どんなトピックを話してもよいこと
・返事はすぐにしなくてもよいこと(すぐ返事がくることは期待しないこと)
・会話に参加する、しないは自由

といったポイント。

「今日はお客さんの訪問で〇〇駅にきたので、カツ丼が有名なお店でランチしてきました!」
「明日のプレゼン準備が間に合いそうになくて、焦ってる…誰か励ましてください!」
「3歳の息子が邪魔してきて仕事になりません…」

など、どんなトピックでも構いません。気軽に自分の現状を共有できたり、相手の様子を伺い知ることができるだけで、誰かとの繋がりを実感し、単にオフィスで一緒に働いているだけでは感じられない、新しい関係性や安心感が生まれることでしょう。

効率化だけでは実現できない、充実したテレワークをするために

「効率化」が是とされる昨今ですが、今回取り上げたようなテレワーク下でのコミュニケーション課題は、深刻化する一方のように思います。

一見、無駄に思えるような雑談チャットは、テレワークを前提とした社会でますます重要になっていくのではないでしょうか。無理なく、人との繋がりを感じながら、それが結果的に業務上のコミュニケーション課題を解決してくれるとすれば、とても理想的ですよね。

ぜひ、雑談チャットをはじめてみてはいかがでしょうか?