コロナ禍の影響によって、働き方も多様化しています。
中には週2~3回テレワークで、他の日はオフィスで仕事する働き方「テレハーフ」という方もいるかもしれません。こちらの記事では、テレハーフにおいて知っておきたいことを紹介していきます。
テレワークと出社のミックス、テレハーフとは?
「テレハーフ」は、2021年1月に小池百合子東京都知事が記者会見中に発言した造語です。部分的にテレワークを導入することによる出勤者数の7割削減を目指す目的としています。
テレハーフに関する会見において「半日時間単位のテレワークとローテーション勤務の組み合わせをお願いしたい、新たにこれを『テレハーフ』と名付けることといたします」と述べています。
参考サイト
小池知事、令和の半ドン「テレハーフ」を新たに推奨 – 社会 |日刊スポーツ
テレハーフに適した層、テレワークに適した仕事とは?
週の半分程度がテレワーク、残りがオフィス勤務というテレハーフ。そのテレハーフに適した主な層は、部下のマネジメントをし、決定権がある管理職、多くの機密保持系の書類を扱う総務や経理部門といわれています。他にも営業に関しても、扱っている商品によってはオフィスでないと対応できない場合があるかもしれません。
一方でテレワークでも完結できる主な仕事は、編集やライター、エンジニア、デザイナーといった、黙々と仕事をこなすクリエイティブ系です。自宅にパソコンがあり、Wi-Fiがつながっていれば、基本オフィスに出向く必要もありません。
テレハーフのメリットとデメリットとは?
テレハーフのメリットとデメリットについては次のとおりです。
メリット1:コミュニケーションが円滑になる
テレワークが課題として挙げられるのが、チームや会社全体の状況がつかめず、コミュニケーションが十分取れなくなるという点です。チャットやWeb会議があっても、人によっては聞きたいことが聞けない、気を遣う……などということもこともあるかもしれません。
週に何回かオフィスで仕事をし、対面で話す時間を設けるテレハーフだと、「テレワークで聞けなかったことがやっとわかった!」ということもあるそうです。メンバー全員が同じ時間と場所で働くことができなくても、週の半分をローテーションでオフィス勤務にあてることによりコミュニケーション面におけるストレスが減るのはいうまでもありません。
メリット2:紙の書類や郵送物の状況を知れる
日本の企業でもペーパーレス化は進んでいますが、まだ公的な書類に関しては紙での運用となっています。オフィスに出向くことで紙の書類の有無がわかるとともに、急を要する書類の郵送状況を知ることもできるかもしれません。
特に会社の中でも決定権があるトップ層においては、紙の書類の件数も多くなるので、テレハーフであればチェックの抜け漏れを防げます。またテレハーフだと自分宛てに届いている郵送物も早い段階でチェックができるでしょう。
メリット3:マインドをスイッチしやすい
全ての勤務が自宅だと、人によっては心も見た目もダラけてしまいがち。テレハーフであれば、「今日はオフィス勤務だから気を引き締めなくては……」といったマインドにスイッチできるので、程良い緊張感を持って仕事に臨めるでしょう。
デメリット1:オフィス勤務日の荷物が多くなってしまう
テレハーフで仕事をしている全ての方に当てはまるわけではありませんが、中には会社から支給されたノートPCを自宅でも使っている方もいることでしょう。
そういう方は、オフィス勤務の日に支給されたノートPCをその都度、持参することになるので、必然的に荷物が多くなります。テレハーフだと帰宅時にノートPCを抱えているので、夕飯の食材などの買い出しが億劫になる可能性もあり得ますね。
デメリット2:移動時間によって実働時間が減ってしまう
テレハーフは終日テレワークや通常のオフィス勤務とは異なり、半日ごとに自宅とオフィスを移動するため、移動時間がかかり実働時間が減ってしまう可能性があります。
例えば、自宅からオフィスまで片道1時間かかる場合、午前中や午後のみの出勤のために1日2時間も移動時間がかかってしまうでしょう。2時間を仕事の実働時間にした方が効率よいのではないかという声もあります。
デメリット3:業務の環境を整えるためにコストがかかってしまう
テレハーフは、仕事を行う場所が自宅とオフィスの2ヶ所あるので、どちらも業務が取り組める環境を整える必要があります。会社によっては、通信環境や業務端末を負担してくれるところもありますが、自己負担の場合、自分で業務環境を整えなければならず、コストがかかってしまう可能性もあります。
テレハーフで仕事を快適に仕事をこなすポイント
テレハーフは、前述のとおり、テレワークとオフィス勤務をミックスした働き方ですが、快適に仕事をこなせるコツとはどのようなものでしょうか。こちらの章ではそのポイントについて紹介します。
ポイント1:オフィスでやるべき仕事とテレワークでやる仕事の線引きをする
紙の書類のチェックや押印は、社外への持ち出しが不可のものが多いので、自宅ではできない仕事です。テレハーフを導入している会社のオフィス勤務の日は、「1時間くらい紙の書類のチェックを行う」といったことをきちんと決めて仕事に臨みましょう。テレハーフは、中途半端にやってしまうと、あとでしわ寄せもあり、周りのメンバーにも迷惑をかけるかもしれませんので、気を付けましょう。
またテレワークでガンガンやれそうな仕事も決めておくと、生産性をさらにアップできるかもしれません。
ポイント2:仕事上のコミュニケーションにおいては主体性を意識する
テレハーフだと、全てのメンバーが同じ場所で仕事をしていないので、一緒に働くメンバーの動きが見えづらいという点があります。自分から確認したいことや、わからないことがあったら、躊躇せずチャットやWeb会議で投げかけることも必要です。
仕事やメンバーに対し主体性を意識することは、お互い対面で会えなくてもコミュニケーションを深められます。この取り組みによって、チーム全体だけでなく会社全体のモチベーションアップにもつながるかもしれません。
おわりに
今回は、テレワークとオフィス勤務をこなす「テレハーフ」について紹介をしました。テレハーフにはメリットもあれば、デメリットもあります。そしてテレハーフにおいて何より大事なのが、仕事の線引きと主体性を日頃から意識することです。この積み重ねによって、自分で仕事をコントロールしながら、マインドのスイッチもできるようにしましょう。