テレワークで最大のパフォーマンスを発揮するために大事にしたいのが、毎日の睡眠。

通勤や身支度する時間の削減や家事などを日中にこなせることなど、テレワークの利点を活かすことでより長い睡眠時間を確保できると思いきや、テレワークをしていることでむしろしっかりと睡眠をとることが難しくなってしまうことがあります。

今回は、睡眠について悩んでいるテレワーカーへ、快眠のための部屋づくりのコツをお伝えします。

テレワークがどのように睡眠に影響するのか

快眠のために重要な要素はいくつかあり、もちろん環境要因も重要なのですが、実はテレワーカーならではの昼間の過ごし方も睡眠に影響を及ぼします。

テレワークをしていると、通勤をしている場合と比べて運動量が減ってしまいます。どんなに職場が近いとしても、家の中だけで過ごす一日よりは、歩く距離だけでもかなりの違いが生まれますよね。

また、オフィスで勤務をしていると、打ち合わせのために席を立ったり、ランチや飲み物を買いにオフィスの外に出たりする機会がある一方、テレワークをしていると打ち合わせもオンラインになり、立ち上がる機会も少なく、長時間同じ姿勢で作業に没頭してしまうこともあります。

さらに、テレワークをしていることで、外出機会が減るため、昼間日光を浴びる時間が減ってしまうことも考えられたり、通勤のために早起きをする必要がなく、つい夜更かしをしてしまうということも。

このように、テレワークを中心とした生活は、毎日の睡眠のリズムや質に影響を及ぼすと言われているのです。

テレワーカーが気をつけておきたい睡眠障害

睡眠障害とは、睡眠に関連する様々な病気の総称で、過眠症なども含まれるのですが、最も多いと言われているのが、健康な生活を送るための睡眠が量もしくは質において不足している状態の「不眠症」です。

不眠症の中にも、寝付きが悪く入眠まで1時間ほどかかる「入眠困難」や、夜中に何度も目覚めてしまう「途中覚醒」、眠ったはずなのにぐっすり眠れた気がしない「熟眠障害」、朝早くに目が覚めてしまう「早朝覚醒」という4つのタイプがあるとされています。

この記事をご覧になっているテレワーカーは、きっと身に覚えがあるのではないでしょうか?

これらの原因としては、ストレスや呼吸器系の病気が原因になっていることもあります。また、テレワークによる運動不足や生活リズムの乱れが原因の場合もあり、それぞれの原因に対して適切な対処を行うことが望ましいです。自分でできる対策の一つとしては、睡眠環境である部屋づくりを工夫をすることが挙げられます。

次に、テレワーカーにぜひ知ってほしい、快眠のための部屋づくりのコツをご紹介します。

睡眠に悩むテレワーカーに試してほしい、快眠のための部屋づくりのコツ

音の刺激が少なく、静かな環境を選ぶ

睡眠に大事な要素として、静かな環境であることが挙げられます。部屋選びをするタイミングであれば、道路沿いの部屋などは外からの騒音が入ってこないかを確認したり、模様替えの際には、できる限り静かな部屋を寝室とすることをおすすめします。

部屋数が少なく寝室の変更が難しい場合には、隣の住人の部屋や、子供部屋やキッチン・お風呂・トイレといった水回りなどどうしても音が出てしまう部屋と隣接した壁からベッドを離しておくといった一工夫でもOKです。

ベッドは壁や窓から離す

実は、部屋の中でベッドを置く位置も重要です。ワンルームなどだと、より部屋を広く活用するために壁に寄せて置くことが多いと思いますが、快眠のためにはおすすめできません。

ベッドと壁や窓を密着させておくと、先述のように音が睡眠の妨げにりますし、空気や湿気がこもって衛生的でなかったり、冷暖房が壁を伝ってベッドへ直接届いてしまい、睡眠に影響を及ぼしてしまうことがあるのです。

そこで、ベッドは寝室の真ん中に設置するのが理想的なのですが、難しい場合には20cmほど離しておくだけでもよいでしょう。

「布団の中」の温度と湿度を最適に

寝室の温度や湿度も大事なのですが、意外と意識されていないのが「布団の中」の温度と湿度。快眠のための布団の中の温度は33℃、湿度は50〜60%程度(年中一定)が望ましいとされています。

とはいえ、布団の中の温度や湿度はわざわざ計測するものでもないので、布団やまくらといった寝具で調整するのがお手軽です。湿度が高くなりすぎず自然と調整してくれる、吸水性・吸湿性のある素材の寝具を選ぶのがよいでしょう。

仕事道具は目に入らない場所に

テレワークをしていると、自分の寝室にテレワーク用デスクを置いている方も少なくないかも知れません。ワンルームの場合にも、止む無くベッドとデスクが同居する形になりますよね。

しかし、良い睡眠のためには、仕事道具やテレビ、ゲームといった脳の刺激になるものをできる限り置かない、入眠前には使用しないことをおすすめします。デスクトップ型のPCやモニターといった大型のものなど、寝室に「置かない」という選択が難しい場合には、できるだけ目に入らないように目隠ししたり、ベッドに横たわったときに目に入らない位置にずらしておく、という一手間でも違いがあります。

遮光カーテンはNG?太陽光で目覚める

「安眠のためには遮光カーテンが最適!」と思っていませんか?もちろん「真っ暗でないと寝付けない」という方もいるのですが、大事なのは朝に太陽の光を浴びて目覚められるかどうかです。

太陽光を浴びるとセロトニンというホルモンが分泌され、脳が覚醒してすっきり目覚めることができると言われています。ところが、遮光カーテンを利用していると、外が明るくなったことが分からず、気持ちのよいタイミングで身体を起こすことができません。結果として睡眠の質に影響してしまう可能性があるのです。

そこでおすすめなのは、遮光等級が高すぎないカーテンを選ぶことや、カーテンをぴったり閉めてしまうのではなく、朝日が差し込む程度の隙間を作っておくこと。こうすることで、朝になると自然と太陽光が部屋に差し込みます。また、昨今では、事前に設定したタイマーでカーテンが開くスマート家電なども出ていますので、活用してみるのもおすすめです。

睡眠に悩むテレワーカーが簡単にできる部屋づくり

今回は、テレワークという生活スタイルが睡眠に及ぼす影響と、簡単にできる快眠のための部屋づくりのコツをご紹介しました。

テレワークという働き方が浸透したことでライフスタイルが変わり、その恩恵も享受できる一方で、睡眠に影響が出てしまい悩む人も少なくありません。

テレワーク中も毎日健康に、そして最高のパフォーマンスを発揮するためにも、部屋づくりに一工夫加えてみてはいかがでしょうか?