テレワーク中のみなさん、最近は読書をしていますか?

筆者は読書が好きなのですが、テレワークになってから読書時間が減ってしまったことに気が付きました。以前は、通勤途中や移動時間がちょうど読書に集中できる時間で、毎日の生活の中に自然と組み込まれていたのですが、テレワークになったことで「あえて」読書の時間をつくらなければ、他のタスクで時間を埋めてしまっていました。

私以外にも、テレワークになりオフィス出社が必須であった時よりも時間ができると思いきや、家事など気になったことに手を出していると、読書や自分のための勉強時間が取れていないという方もいるのではないでしょうか?

今回は、そんな方々に向けて、テレワーク中に読書を習慣化するおすすめの方法を紹介します。

テレワーク中に読書習慣を作るメリット

いま話題のリスキリングに

経済産業省も推進するリスキリングとは、いわゆる社会人の学び直しのこと。

少し前に「人生100年時代」という言葉が注目を集めましたが、「60歳で定年して、それからは第二の人生を」という生き方は古いものとなり、生涯仕事をし続けていくことになるだろうと言われています。そんな中、変化し続ける社会やマーケットで価値を提供し続けるには、新しい知識やスキルの習得が必要不可欠です。また、企業としても、社内の人材がより高い付加価値を生み出していくためにスキル開発が必要だと考えており、リスキリングが話題となっているのです。

新たなスキルを習得するにはさまざまな方法がありますが、読書もその一つであり、最も手軽に始められるアクションと言えるかもしれません。また、スキルアップしたいけれど、どんな分野へアプローチすべきか、自分のキャリアや人生を見つめ直すきっかけとして、読書から始めるのもよいでしょう。

瞑想やマインドフルネス効果で、生産性向上

「マインドフルネス」も、ビジネスにおいてその必要性や効果が叫ばれるようになってしばらく経ちましたが、まだあまり馴染みのない方もいるかもしれません。

マインドフルネスとは、過去や未来に囚われず、心が「今」に集中した状態であることを表しており、瞑想などにより実現できると言われています。「今」に集中することで、不安や不満、怒りなどネガティブな感情から解放され、脳や心がリフレッシュできるため、生産性の向上にも役立ちます。

「瞑想も試したことがあるけど、うまくできているかわからない」「効果が実感できない」と感じる方は、読書を取り入れてみることをおすすめします。実は、読書という行為も、目の前の文章に集中することで、比較的容易にマインドフルネス効果を得ることができます。

テレワーク中の読書時間帯の使い分け

筆者のように、以前は出社時などの隙間時間に読書をしていた場合、テレワークの生活の中に新しく読書習慣を築くためには、読書の時間を設定することが大切です。ただし、どの時間帯に読書するのがよいのでしょうか?

読書のゴールデンタイムは朝?!

筆者のおすすめは、朝。テレワークの始業前の時間です。時間は15〜20分ほどでも構いません。しっかりと睡眠を取った翌日の朝は、心身ともにリフレッシュした状態であるため、新しい知識や情報を吸収しやすく、読書のゴールデンタイムとも言えます。夜、眠たい目を擦りながらゆっくりと読み進めていた本も、朝のたった15〜20分でこんなに読み進められるのか!とびっくりされるのではないかと思います。

私はあえて仕事に直接関係ないもの(新しいスキルに関わるものや趣味の本など)を朝の時間に読むようにしていて、「今日は仕事以外で、自分のために時間を使えたぞ」「有意義な時間を持てたぞ」という気持ちで仕事に臨むことで、テレワーク中のモチベーションアップになっていますし、何より読書後に頭がクリアな状態のため、仕事のスタートダッシュが早まりました。

昼間の読書は、リフレッシュや情報収集目的で

業務に関係するものは業務時間内に読み進めてしまう、というのもおすすめです。出社をしていた頃は、業務に関係する本であってもオフィスで堂々と読書時間を確保することは難しかったかもしれませんが、テレワークで、業務の調整もできているのであれば特に問題ないでしょう。

また、リフレッシュ目的であれば、10〜20分程度の休憩がてら、小説など比較的読みやすいものを読んでみるのもおすすめです。

知識定着やリラックス効果なら、夜寝る前に

夜、寝る前にインプットした情報は、記憶に定着しやすいと言われています。リスキリングとして新たなスキル習得や資格取得に向けた勉強のための本を読むのは、夜がおすすめです。

ただし、脳が活性化してしまうと眠りにくくなってしまう場合もあるので「1時間以内」「就寝の1時間前まで」といったルールを決めておいたり、リラックスできる飲み物をお供に準備するなど、ちょっとした工夫をするとよいでしょう。

もちろん、リラックス目的であれば、小説やエッセイなど比較的読みやすいものを選ぶのもおすすめです。

読み方もいろいろ!

本の読み方もいろいろありますが、結局のところは好みやそのときの気分、コンディションで選べばよいでしょう。とはいえ、読書に慣れないころは何か基準があるといいと思うので、よく議論になる読み方のポイントを2つご紹介します。

最初から順番に読まなくても良い

「本は、最初から順番に読まないといけない」と考えている方は多いかもしれません。性格的に「順番に読まないと気が済まない!なんだか気持ちが悪い」という場合もあると思いますが、筆者は、例えばつまみ読みをするのももちろん良いと思います。

せっかく本を読み始めたけれど、途中で理解できないところや面白く感じられない箇所でつまずいて、ずっと読みきれずにいる本はありませんか?

そんな時は、気になるところだけつまみ読みをしたり、目次を眺めて気になる章から読んでみるのも良いでしょう。1箇所でつまずいてしまっただけで、そのあとから面白くなり、一気に読み切れた、という本も出てくるかもしれません。ぜひ気負わず自由に読んでみてください。

ゆっくりじっくり読む? VS とにかく速く読む?

速読という、文章を情報の一塊として捉えてとにかく早く読む読書術が流行ったことがありました。これも、好みや状況によると思います。

筆者の場合、情報収集目的の本は、速読的に読んだり、気になったところや知りたいところだけ読むことがよくあります。一方、じっくり考え理解を深めたい本や、心に響く言葉が詰まった本は、一文一文を飛ばさず丁寧に読み進めることもあります。

最初のうちは、自分の好みも定まらなかったり、よく分からないこともあると思いますが、読書が自分の目的(テレワーク中のリラックスや生産性向上なのか、リスキリングなのかなど)を叶えるために実行できているかで考えてみるといいでしょう。

テレワークで読書習慣をつくるには、読書後のアウトプットも大切に

読書には、必ず守らなければならない堅苦しいルールがあるわけではありませんし、読む本の種類や時間帯、読み方も、自分の好みや目的に応じて自由に選択すればいいことがお分かりいただけたでしょうか。

最後にもう一つ、読書をテレワークの中で習慣化するには、読書後のアウトプットを意識してみることもおすすめします。

アウトプットとは、例えば、本の感想や本から学んだこと・気づいたこと・感じたことなどを書き留めたり、人に話してみたりすることです。こちらも決まったルールはありませんが、アウトプットしてみることでより理解が深まったり、知識の定着が期待できるほか、自分の好みや興味関心、新しいスキルに関する理解度に気付くことにもつながります。

日々の生活に読書を取り入れることで、テレワークをより有意義なものにしていきましょう。