テレワークというと、「通勤時間がないからその分、疲れやストレスがあまりない」と思われがちです。しかしながら、テレワーカーも何らかの疲れやストレスを抱えていることもあるかもしれません。この状況から脱却する一つとして、今、仕事と家庭以外の場所ーー、「サードプレイス」が注目されています。
サードプレイスとは
「サードプレイス」とは、直訳すると「第三の場所」であり、自分の意思で、仕事や家庭以外で一個人として居心地が良いと感じられる場所のことです。例えば、一緒に音楽や読書を楽しむといった共通の趣味を持つ集まり、行きつけの居酒屋やカフェもサードプレイスに相当します。なお、「ファーストプレイス(第一の場所)」は家庭、「セカンドプレイス(第二の場所)」は職場や学校です。
サードプレイスの提唱者は、レイ・オルデンバーグというアメリカの社会学者です。オルデンバーグ本人は、『サードプレイス――コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」』という著書を書き下ろし、家族以外の者同士がコミュニティを作る必要性などを述べています。
コロナ禍によって行動範囲に制限されているなか、家庭と仕事・学校のみの生活だとストレスが溜まる生活になりがちです。そして、今、日本ではメンタルヘルスが社会問題となっており、疲れやストレスをため込んでしまい、我慢してしまう人も一定数います。その状況を緩和するのに効果的なのが、サードプレイスを持っておくことといわれています。
(参考資料)地域コミュニティにおけるサードプレイスの役割と効果|法政大学
サードプレイスの定義
レイ・オルデンバーグは、サードプレイスを次のとおり定義をしています。
中立領域: 個人が経済的・政治的・法的・義務感に拘束されるのではなく、気軽に出入りができ、かつ仲間全員が心地良く寛げる。 平等主義: 上下関係がなく、誰でも発言できる。 会話が主たる活動: 楽しい雰囲気で会話をする(※ただし、ディスカッションは異なる)。 アクセスしやすさと設備: 誰でも立ち寄れる環境づくりをする。 常連と会員: サードプレイスが成り立つ要因の一つは、その場の雰囲気を盛り上げる常連と会員の存在である。ただし、常連が優遇される雰囲気を作らないよう、配慮が必要。 控えめな態度と姿勢: 会話のなかで、納得できない発言があってもそれを批判しない態度と姿勢が必要。 機嫌がよくなる: 参加者全てが気持ち良く過ごせるよう、楽しい会話を心がける。 第二の家: サードプレイスは、パブリックな場であるとともに、参加者が「第二の家」と思えるような温かい雰囲気づくりも必要不可欠である。 |
テレワーカー向け・サードプレイスの探し方

人とのつながりというと、仕事と家庭、新旧の友人知人がメインというテレワーカーも多いことでしょう。おそらくサードプレイスをどうやって探したら良いか、よくわからないということもあるかもしれません。探し方のポイントは、「いつでも、どこでも、立ち寄れる」ことです。
ここではテレワーカーのサードプレイスの探し方について主な例を挙げていきましょう。
SNS
今の時代、SNSをきっかけに知り合ったというケースも珍しくありません。好きなことに「#(ハッシュタグ)」をつけると、共通の話題で盛り上がるということがあるかもしれません。最初はオンラインでやり取りをしていたのが、やがて対面でやり取りするレベルまで親しくなる可能性があります。
オンラインサロン
オンラインコミュニティは、主催者と会員の交流が盛んです。主催者から情報を受けられる体制が整っているので、自分のニーズに合ったコミュニケーションが可能です。もし、興味を持っていることが概ね同じなら、新しい仲間とつながりを築けます。オンラインサロンのサードプレイスなら感染拡大のことを気にしないで参加できるのが魅力といえるでしょう。
近所のとっておきスポット
近所のどこかでサードプレイスを探したいテレワーカーなら、お散歩ついでに自分が寛げる近所のスポットをチェックしましょう。カフェが好き、公園のベンチが好き……など、人によって好みが異なります。「どこがサードプレイスとして最適か」を見極めましょう。
この3つ以外にも、対面での習い事やサークルもサードプレイスとして含まれます。
テレワーカーがサードプレイスで得られるもの
ここではテレワーカーがサードプレイスで得られるものにフォーカスしていきましょう。