近年、これまでの「出社して仕事をする」という概念が過去のものとなり、テレワークでの仕事をする方が増えてきました。
仕事の時にはオフィスに行かなければならない、という考え方が古いものと感じられる日も近いのかもしれません。週の半分以上がテレワークという人も増えました。
テレワークが増えたことで、多くの人の働き方が変わりましたが、同時に健康面にも変化が起こっていることはご存知でしょうか。
なんと、テレワークをしている人は出社している人に比べて死亡率が高くなる、という研究データがあるのです。

この記事を見ていて、ドキッとした人も少なくないのではないでしょうか、、!
私もそんなドキッとしたうちの一人です。しかし安心してください。
テレワークと死亡率の関係と、その対策方法についてまとめてみました。
テレワークでも健康な身体を手に入れ、健康で効率的な仕事と生活を手に入れましょう!

運動量の変化がカギ

テレワークが始まり、多くの人が家で仕事をするようになりました。
その結果運動習慣に変化が起こりました。
具体的には、世の中の人々が「これまでと変わらず外に出て運動をする人」と、「一切外に出ない人」という二つに別れるという現象が起こっています。

実は、ここにテレワークと死亡率の関係性のカギがあります。
「座り時間が長くなり、身体活動量が少なくなるほど死亡率が高くなる」という研究結果があるのです!

そもそも人間の体は、筋肉の70%が下肢に集まっています。座っているときは筋肉の70%が動いていない状態になるのです。
そのため、座っている時間が長くなればなるほど、体全体の代謝機能が抑えられてしまい健康状態が悪化するというわけです。
座っている状態が続くと、血流が悪くなり、高血圧や糖尿病、肥満の原因になります。さらにはがんを引き起こす原因になるとも言われています。

元々は出社の際、家から駅まで歩き、電車を降りてから会社まで歩き、階段を越えてオフィスに向かっていたため、このような問題は起こりづらかったと考えられます。
しかしテレワークが広がり、1日ずっと家の中で過ごしたり、ほとんど座ったまま過ごしたりという生活も珍しくなくなりました。
そんな変化が身体にとってはよくない影響を及ぼしていたのですね。

そして、運動量や座り時間のほかにも気をつけるべきことはあります。
それは「体力の低下」です。

よくテレワークしている人同士で話すことがあると「体重が増えないように気をつけている」なんて話になることもしばしばです。
体重が増えないように気をつけて、食べ過ぎないようにしたりするのも大事なことですが、実は体重増加よりも危険なのが「体力(心肺持久力)低下」なのです。

こんな研究があります。
1万人以上の男性を約6年間追跡して、体重の変化と体力の変化を調査しました。
その結果、体重が増えることよりも体力低下のほうが死亡率に大きな影響を与えるということがわかったのです。
つまり、太ることよりも体力が減ることが危険なんですね。
図を見てもらうとわかりやすいですが、体重の変化による死亡率の変化具合に比べて体力の低下に伴う死亡率の変化がかなり大きくなっています。
特に体力が低下し、体重も低下した場合は一番死亡率が高くなっています。
全く変化がなかった人の約2倍の死亡率となっているのは驚きです。

対策のポイントは筋トレと散歩!

さまざまな研究から、座り時間が長くなり活動量が低下することや、体力(心配持久力)の低下が死亡率を上げてしまうことがわかりました。
テレワークはまさに、運動不足や持久力低下の原因となります。
テレワーク自体が健康に悪いのではなくて、テレワークによってもたらされる生活習慣が健康に悪影響を及ぼす可能性が高いのです。

では、テレワークをしながら健康に過ごすにはどうしたらいいのでしょうか。
その対策には、散歩や筋トレが効果的です。

というのも、テレワークで運動不足になったときに気をつけるべきなのが「脂肪筋」という現象だからです。
脂肪筋とは、エネルギーとして燃焼されなかった結果、脂肪細胞から漏れ出した脂肪が筋肉に溜まってしまうことを言います。
その現象を避けるために、こまめに筋トレをしたり散歩に行ったりするのが効果的です。

ただ、毎日ジムに行って激しい筋トレをしたり、毎日5kmや10kmも歩いたりするのはかなり難しいですよね。
そんなに大変な思いをしなくても、家で空き時間にスクワットをしたり、少し動いてみたりと、簡単なことから始めれば大丈夫です。
そして仕事がひと段落したら、外の空気を吸いに10分間だけお散歩に出かけてみる、というのはどうでしょうか?
気分もリフレッシュできて、健康も維持できる最高の方法だと思います。

家で仕事が完結できるようになった今日この頃、なかなか億劫で運動不足になりがちなテレワーク生活ですが、少しの意識で運動を取り入れることができるようになります。
せっかくのテレワーク、うまく運動も取り入れながら、心身ともに健康に進めていきたいですね。