企業勤めのテレワーカーであれば、雇用先からテレワークで発生する光熱費や通信費などを補填する在宅勤務をサポートする手当などが発生する場合があります。企業といった組織に属さないフリーランスのテレワーカーの場合、実際の手当てについてはどのような状況なのでしょうか。
こちらの記事では、テレワーカーの在宅勤務手当てにまつわることについて解説していきましょう。
テレワーカー向けの手当てとは?
企業勤めのテレワーカー向けの手当ては、「在宅勤務手当」や「在宅支援手当て」などの名称で適用されています(※企業によって名称が異なります)。
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、テレワークを導入する企業が増加。そんな中で設置費用や通信費といった光熱費がかさみ家計に負担が増えるという声も挙がったことにより、一部の企業では一括支払いまたは、毎月一定の金額を支給する運びとなりました。
実際に企業勤めのテレワーカー向けの手当てをしている企業の抜粋は次のとおりです。
・キリンホールディングス株式会社:2021年4月以降、在宅勤務を実労働時間の半分以上の時間で仕事をした日は、光熱費などの業務にかかる費用を補填。ほかにも新たな働き方を支援する目的として日額200円を支給
・カルビー株式会社:2020年7月以降、通勤定期券代の支給を停止し、モバイルワーク手当(一時金)を新しく設置。テレワークの環境整備に伴う必要な一部費用を補助
・ 富士通株式会社:2020年7月以降、月額5,000円の在宅勤務向けの環境整備費用補助の支給、併せて通勤定期券代の支給を廃止
以上の企業の取り組みでもわかるとおり、在宅勤務手当は国から決められたルールが特に定められていません。そのため、企業ごとに支給する金額や適用費目などが異なっています。
参考
「『働きがい』改革 KIRIN Work Style 3.0」の取り組みについて|キリンホールディングス株式会社のプレスリリース
ニューノーマルにおける新たな働き方「Work Life Shift」を推進| 富士通
3割の企業が「在宅勤務手当」を支給。在宅勤務におけるサポートは経済面/精神面のどちらも必要か|HRプロ
テレワークで発生する費用内訳
テレワークをスタートする場合、仕事する環境を整えるためにも何らかの費用が発生します。テレワークに紐ついた主な費用内訳については以下のとおりとなります。
【スタート時の費目】
・デスク(※必要な場合)
・チェア(※必要な場合)
・電源タップ(※必要な場合)
・通信回線の設置(※新たに通信回線を契約する場合)
・ブルーライト対策グッズ(※メガネやブルーライト防止シートを必要とする場合)
これらの費目は家のあるもので対応できれば、コストを抑えることが可能です。
【毎月発生する費目】
・通信費
・光熱費(※特に水道代、電気代、ガス代)
前にも述べていますが、テレワークによって光熱費が高くなったという声もあります。手当てが支給される点では、何かと助かるテレワーカーもいることでしょう。なお、テレワークに関する手当てに関しては、企業の正規社員だけでなく、企業で雇用されている在宅勤務のアルバイトやパート、派遣社員も対象になる場合があります(※ただし、企業によってガイドラインが異なるので、対象外になる場合もあります)。
フリーランスのテレワーカーの場合、手当ては生じるのか、生じないのか?
これまで企業のテレワーカーの手当てに関することを解説しました。
こちらの章では、フリーランスのテレワーカー向けの手当てについて解説していきましょう。
近年の働き方の多様性に伴い、企業に属さず事業主として稼働するフリーランスが増えています。フリーランスのメリットといえば、時間に束縛されず自分の得意分野を活かして仕事ができることです。信頼できるクライアントとつながっていれば、正規社員のように長期的な安定した仕事を獲得できる可能性も。また、フリーランスのテレワーカーも業のテレワーカーと同様、自宅で仕事をする際、何らかの費用は発生します。
フリーランスの場合、業務委託としてクライアントと契約した上で仕事をする場合があります。このケースの場合、基本的に報酬に上乗せして在宅勤務手当てが発生しないことが多いようです。
ただし、今後、テレワーカーに関する勤務手当の制度や基準などが変わる可能性もあり得るので、国(特に厚生労働省)の動きや関連ニュースに関心を持っておくと良いかもしれません。
参考
フリーランスは「事業主」 有休、出産手当金…ナシ、「労働者」との違いに注意(NIKKEI STYLE) – Yahoo!ニュース
多様な働き方が進む今の日本、手当てに関する情報をチェック
コロナ禍によって勤務形態問わずテレワーカーが増えています。一部の企業では、テレワーカー社員に在宅勤務をサポートする手当てが支給される動きとなっています。また、近年増えているフリーランスのテレワーカーに対しては、クライアント先から在宅勤務手当てとして含めない場合もありますが、制度の変更などにより何らかの変化があるかもしれません。日頃から在宅勤務手当てに関する情報をチェックすることをおすすめします。