エコノミー症候群は、狭いスペースの中で食事や水分を取らず、長時間同じ体勢で居続けて、身体の血の巡りが悪くなったときに発生する症状です。飛行機のエコノミークラスや車の中だけでなく、テレワークでもエコノミークラス症候群になるケースがあることをご存じでしょうか。
こちらでは、テレワーク中に、エコノミークラス症候群にならないためにも知っておきたい生活習慣を中心に紹介していきましょう。
飛行機以外でも発症?テレワークで気をつけたいエコノミークラス症候群とは
エコノミークラス症候群は、長時間同じ体勢で居続けると、下肢が圧迫されることにより、血流が悪くなり血栓ができてしまう症状のことです。スペースが狭く足を十分に伸ばすことができない飛行機のエコノミークラスで発生しやすいということから、「エコノミークラス症候群」という名前がつきました。
また、エコノミークラス症候群は、足を置くスペースが狭い自動車や高速バスの中でも発症します。体内に発生したいくつかの血栓によって肺の静脈が詰まり、呼吸困難や胸の痛み、失神といった状況に陥ることも。症状が重い場合、病院搬送となる場合もあります。
そして、テレワークなどデスクワークがメインの場合は、デスク下のスペースが狭いために十分に足を伸ばすことができず、飛行機のエコノミークラス症候群と同じような症状となる恐れがあると言われています。
テレワークでエコノミークラス症候群になる要因とは?
テレワークでエコノミークラス症候群になる要因として、身の回りの環境や普段の行動パターンがいくつか挙げられます。では、実際にどのような要因があるのでしょうか。
デスク下のスペースが狭い
テレワークのデスク下が手狭だと足を伸ばすことが困難です。お手洗いなどで少しの間だけ立ち上がる以外、同じような体勢になってしまいがち。そうなると脚がむくみやすくなってしまい、血の流れも悪くなります。テレワークで使うデスク下のスペースに余裕がないと感じたら、デスクだけでなく、椅子の高さも調整してみることをおすすめします。
水分補給をほとんどしていない
身体の中の水分が不足してしまうと、血の巡りが滞り、エコノミー症候群だけではなく、脱水症状や熱中症なども発症しやすくなります。テレワークで健康を維持するためにも、適度な水分補給を心がけましょう。
締め付ける衣類を身につけている
スラックスを履いてベルトをきつく締め付けたり、伸縮性がないレギンスパンツを履いてしまったりすると、うっ血するリスクがあるといわれています。ほかにも、締め付けの強いストッキングやタイツを履きながら同じ姿勢でテレワークをするのも、エコノミークラス症候群になる可能性が高いので注意が必要です。
テレワーク中に取り入れたい生活習慣

デスクワークの時間が長くなりがちなテレワーカーが、エコノミー症候群にならないために取り入れたい生活習慣とは、どんなものでしょうか?
適度な水分を摂る
前の章でもお伝えしましたが、エコノミークラス症候群になる原因の一つは水分補給が十分にできていないこと。そのため、エコノミークラス症候群の対策として、適度な水分補給が必要です。
エコノミークラス症候群予防のための飲み物でおすすめなのは、水または麦茶といったノンカフェインのドリンク類。テレワーク中にコーヒーや紅茶といったカフェインの入ったドリンクを飲まれる方もいるかと思いますが、カフェインは利尿作用があるため、ノンカフェインよりも脱水症状になりやすくなります。カフェインの摂りすぎには注意しましょう。
たとえば夏のテレワークなら、室内の熱中症のことも考えなくてはならないので、アイスコーヒーを飲む回数を減らし、麦茶に置き換えるといったこともおすすめです。
脚部を中心としたストレッチを実践し、適度な休憩をとる
テレワークの作業中でもできる、エコノミークラス症候群の対策があります。それは、デスク下で足首を回したり、膝を少し曲げたりして、足周りのストレッチをすること。これだけでも、デスクワークで停滞しがちな血の巡りを改善できます。また、お手洗いで席を離れるついでに立ち上がってアキレス腱を軽く伸ばすストレッチなどもおすすめです。適度な休憩を取り入れるのもエコノミークラス症候群対策になるので、タイマーをかけるなどをして脚部のストレッチをしてみましょう。
ほかにも、座ったままできるストレッチなどが紹介されているサイトもあるので、ぜひチェックしてみてくださいね。
参考:
・エコノミークラス症候群の予防のために|厚生労働省
・飛行中(快適な空の旅のために)|日本航空
仕事仲間と一緒にエコノミークラス症候群の知識を深め、予防策を共有する
エコノミークラス症候群を継続的に予防するには、定期的に仕事仲間との情報共有をしておくのもおすすめです。チャットやメールで、「○○がエコノミークラス症候群の対策になる」「○○を使ったら足のむくみが取れた」など、リアルな耳より情報が得られることもあります。
テレワーク中も要注意!エコノミークラス症候群の対策を意識的に行いましょう
エコノミークラス症候群は、飛行機や車に乗っている場合だけではなく、同じ姿勢での長時間のテレワークが原因で発症する場合があります。デスク下が狭い、水分補給が十分できていない、締め付ける衣類を身につけているといったことで、気づかぬうちにエコノミー症候群のリスクを高めてしまっているかもしれません。健やかなテレワークライフを送るためにも、常日頃から水分補給する、脚部のストレッチをする、などの対策を意識的に行うようにしましょう。