コロナ禍でもっとも大きな影響を受けているのは飲食業界ではないでしょうか。営業時間の短縮を要請され、以前なら大勢の客でにぎわう夜の街は閑散とした状況。各店舗は売上確保のため、テイクアウトや配達強化を余儀なくされています。ここで大きく動き出したのがフードデリバリー市場。既存企業はサービス拡大を図り、新規参入も増えています。自宅で働くテレワーカーにとって、この便利でありがたいサービスの動向は気になるはず。いま業界に何が起きてるでしょうか?

テレワーク中の利用で急拡大!フードデリバリーサービスとは?

フードデリバリーサービスとは、食事を自宅や職場など指定の住所へ届けてくれるサービスのことです。コロナ禍において、テレワークが推奨されたり、店内飲食が制限されたことで注目を浴びています。少し前までは、飲食店に直接電話をかけて注文をするスタイルが当たり前でしたが、昨今ではWEBサイトやスマホアプリから簡単に注文できるサービスが普及し、利用者の拡大を後押ししています。

実際、テレワーク中に、食事の準備の手間や時間を惜しんで、フードデリバリーを利用する方が増えています。お店の味が自宅で気軽に楽しめるということで、テレワーク中の気分転換になる、という声もあるようですね。

参考:4人に1人がテレワーク実施 在宅中のランチ「食事の準備に時間を割きたくない」が約2割/出前総研調査|SalesZine

テレワークの強い味方!デリバリーサービスの種類を知ろう

テレワーク中のランチやディナーに上手に活用したいフードデリバリーサービス。このフードデリバリーサービスは、大きく2種類に分かれます。

一つは「専門型サービス」といって、自社が注文の受付から調理・配達までを請け負うもの。宅配ピザや昔のお蕎麦屋さんの出前などがこれにあたります。

もう一つは「総合型サービス」。フードデリバリーのプラットフォーム事業者が、複数の飲食店と提携し、集客や注文窓口の役割を担当。調理は各飲食店が行い、配達はデリバリー事業者もしくは飲食店が行います。Uber Eatsや出前館がこの総合型サービスの代表格です。

では、この2つのサービスをどのように使い分ければいいでしょう。

「専門型サービス」は各飲食店ならではの特典やサービスがついていることが多いので、食べたいものがすでに決まっているときにおすすめです。

「総合型サービス」は数多くの飲食店と提携しているため、豊富なメニューから選べ、大人数での食事やまだ食べたいものが決まっていないときに便利です。例えば、テレワーク中であってもどこかの小さな会議室を借りてチームミーティングなどを行うこともあると思います。そのような少人数〜大人数で一緒に食事をとる際には、「総合型サービス」のプラットフォームを利用するのがおすすめです。

テレワーカー御用達。2大プラットフォームの「出前館」と「Uber Eats」を徹底比較

国内最大級の店舗数!老舗宅配ポータルサイト「出前館」

◆概要
2000年のサービス開始から20年以上もの歴史がある出前館。掲載店舗は100,000以上(2022年10月現在)と、国内最大級の店舗数です。フードのジャンルは和食や中華、ピザ、お寿司、洋食など、幅広く網羅しています。提携店舗も誰もが知っている大型チェーン店から、こだわりのカレー屋といった個人店まで様々あり、選択肢の広さが魅力です。またフードだけでなく、生花や水漏れ修理などのライフサービス系の配達サービスも提供しています。テレワークの合間に、このようなライフサービスも気軽に依頼できるのは魅力の一つです。

◆お得情報
キャンペーンに力を入れていて、出前館のクーポン・キャンペーンページには季節に合わせたクーポンが提供されているほか、各店舗単位のクーポンも紹介されているので、特に食べたいものが決まっていないときはクーポンのある店から選ぶ、というパターンもオススメです。また初回利用時のクーポンやポイントも充実しているので、賢く活用しましょう。

◆その他
配達は出前館スタッフや各店舗のスタッフが担当。宅配料は店舗ごとに設定されています。利用者側のサービス料は不要。LINEアカウントでログインできるので、LINEユーザーなら手軽に利用できます。

出前館サイト
https://demae-can.com/

アプリで配達状況が確認できて便利!「Uber Eats」

◆概要
2016年のサービス開始時には首都圏など限られた地域のみが対象でしたが、次第にエリアを拡大し、現在は43都道府県でサービスを提供しています。加盟店舗数は150,000件以上(2022年10月現在)で、フードジャンルも豊富。食事制限のある人のために、「ビーガン料理」や「グルテンフリー料理」といった検索項目が用意されていて、アメリカ発のサービスらしさを感じさせます。Uber Eatsのアプリを使えば、配達状況がリアルタイムでチェックできます。配達してくれる担当者の名前や写真が見られるうえ、配達中の位置情報がMAPで表示されるなど、ちょっとしたゲーム感覚が楽しめます。フード以外にも、ローソンやマックスバリュなどの日用品を配達してくれます。テレワークをしていると外出機会が減ってしまいがち。以前であれば外出がてら購入していたちょっとした日用品も一緒に注文できるのはありがたいですね。

◆お得情報
初回注文の割引クーポンやお友達紹介キャンペーンが用意されているほか、デリバリー関連の情報サイトやクーポンサイトと提携した割引もあるので「Uber Eats クーポン」などで検索してみましょう。

◆その他
配達はUber Eatsスタッフや各店舗のスタッフが担当。宅配料は店舗との距離や配達スタッフの数などで決まりますが、店舗を選択するときに金額がわかるので安心です。そのほかサービス料が10%かかり、さらに700円未満の注文には少額注文の手数料が一律150円かかります。※店舗スタッフが配送する場合、サービス料は不要です。

Uber Eatsサイト
www.ubereats.com/

テレワーク推進で競争激化、過渡期にあるフードデリバリー市場のこれから

新型コロナウイルスの感染拡大、そしてテレワーク推進の影響もあり、急速に市場を広げているフードデリバリー業界。消費者庁も食品ロスの観点からフードデリバリーサービスの利用を呼びかけるなど、ますますの市場拡大が予想されます。

こうした中、「DiDi Food」「foodpanda」「Wolt」「menu」などいくつもの企業が新規参入。独自にシェアを伸ばす企業がいる反面、競争に勝ち残れずサービス終了や統合も相次いでいます。

たとえば株式会社NTTドコモが運営していた「dデリバリー」は2021年6月30日にサービスを終了。またLINEグループと株式会社出前館の資本提携により両社が提供しているフードデリバリーサービスを「出前館」に統一し、LINEからエンジニアを派遣してシステム強化を推進しています。さらにUber Eatsは国内で数年以内にドローンによる配送サービスの開始を検討していると共同通信が発表するなど、各社が生き残りをかけた成長戦略に取り組んでいます。

こうしたなか「出前館」が2020年12月に「クラウドキッチン」事業をスタートさせました。調理スペースと配達機能を兼ね備えた「クラウドキッチン」を、月額制度で利用できるシステムで、初期費用と集客のリスクを抑えながらデリバリー事業をスタートできる仕組みです。

これからまだまだ革新的なサービスや事業の誕生が予想されるフードデリバリー市場。テレワークが推奨されるこのニューノーマル時代、どう展開していくのかますます楽しみです。