ここ数年で耳にすることも増えた「マインドフルネス」。あのGoogleやYahooといった有名企業でも取り入れられていて、仕事の生産性向上などに効果があるとされ、話題になりました。

マインドフルネスの実践方法の一つとして「瞑想」があります。ヨガなどを日常的に実践されている方は馴染みが深いかもしれませんが、「瞑想」と聞くと宗教的がイメージされたり、なんだか難しいもののように感じられる方もいるかもしれません。

ただし、脳科学の観点からも効果があるとされていること、そして、誰でも簡単にはじめられる方法が広く知られるようになってきています。

「興味はあったけど、どうしたらいいのかわからず、まだ試したことがなかった」
「自分でやってみたけど、いまいち効果がわからなかった」

という方も、簡単なはじめからをご紹介するので、ぜひ試してみてはいかがでしょうか?

マインドフルネスとは?

マインドフルネスとは「いまこの瞬間、ここにある状態に集中していること」を意味しています。

私たち人間の脳は、1日に4〜6万回ものセルフトークとしていると言われています。つまり、自分の頭の中でつねに考え事をしていて、いまこの瞬間やここではないどこかに思いを馳せたり、注意を向けてしまっているということです。これでは、脳も休まる暇がなく、リラックスした状態とはほと遠いということは、イメージできると思います。

そんな状態の私たちの脳に、いまこの瞬間、ここにあるままの状態に集中する時間を与えてあげることで、心身共にリフレッシュされ、仕事の生産性向上などに効果があるとされているのです。

なぜマインドフルネスがテレワーカーにおすすめなのか

自宅でテレワークをしていると、どうしても孤独な作業になりがちです。作業に集中して入り込めているときはいいのですが、どうも集中が続かないときや、アイディアが欲しいのに不安や焦りで頭がいっぱいのときなどは、良いアイディアも浮かびません。

また、カフェやコワーキングスペースでテレワークをしているときも、適度に話しかけたり話しかけてくれる相手がいることが良い方向に働くこともあれば、気が散ってしまって、作業に集中できない状態になることもありますよね。

そんなとき、簡単にできて、すぐに効果を発揮してくれるのが、マインドフルネスです。
マインドフルネスには、以下のような作用があるとされています。

・ストレスの軽減
・脳の活性化
・チームワークや生産性の向上
・創造性の発揮

散歩などの有酸素運動も、上記のような効果が認められていますが、このご時世で自由な外出がままならないときでも、マインドフルネスであればどこでもできてしまいます。

たったの3分からでOK!マインドフルネスのはじめかた

では、具体的に、マインドフルネスとはどのようにはじめたらいいのでしょうか?

【準備するもの】

準備するのは、(できれば)少し静かな環境と、自宅やコワーキングスペースなどにある普通の椅子のみ。

マインドフルネスや瞑想というと、座禅を組むイメージがありますが、今回ご紹介する方法では、普通の椅子に座るだけで構いません。ただし、背もたれに寄っかかったり、猫背の状態になると、お腹が圧迫されて呼吸がしづらいので、ソファなどは避けた方がよいかもしれません。

【マインドフルネスのはじめかた

  1. まず、椅子に座り、体を少しほぐします。
    手を組んで上や前に伸びたり、両肩に力を入れて少し持ち上げてから脱力してストンと下ろしたり、肩から自然に下ろした両手をぶらぶらさせてみたり、自由なやり方で構いません。体の力を抜くように心がけてください。
  2. 次に、頭のてっぺんから糸でひっぱられるようなイメージで背筋を伸ばす体勢をとります。
  3. そして、ゆっくりと目を閉じて、自分の呼吸に集中します。呼吸は、肩が上がり下がりする呼吸ではなく、息を吸った時にお腹が膨らみ、吐いた時にお腹が凹む、腹式呼吸を意識します。腹式呼吸の方が、たくさんの空気を吸い込めるので、ゆったりとした呼吸をすることができます。

    ※このとき、呼吸がうまくできているかを心配しすぎる必要はありません。吸って、吐いて、吸って、吐いて。その度に、お腹に空気が溜まってきて、それがゆっくりと体の外に出ていくのをただ頭でイメージして、感じてみてください。
  4. もし「これが終わったら、あの仕事の段取りを進めなきゃ」「そろそろお腹が減ったなあ」など呼吸以外のことが頭に浮かんだ状態に気付いたら、再度自分の呼吸に集中するように意識しましょう。
  5. 2〜3分、呼吸だけに集中できたら、これで完了です。
    ※スマホなどで、アラームを設定しておくのもおすすめです

最初は、うまくできているか分からないなと思ったりするかも知れません。ただ、それもまた、無意識に自分の頭を働かせてしまっている証拠。自分がどれだけ無意識にいろんなことに思いを巡らせ、頭を働かせてしまっているかに気付けるだけでも、普段から自分の状態に自覚的になる練習になるので、マインドフルネスのひとつの効果と言えます。

こんなときにおすすめ

私自身は、毎朝仕事を始める前に、2〜3分ほどマインドフルネスをするようにしています。仕事を開始する前に、「今日はあれとこれとそれからあの仕事を片付けて…」とすでに頭は始動してしまっていることが多いのですが、まずマインドフルネスをすることで頭をリフレッシュし、フラットな状態で、業務をスムーズ開始することができています。

また、何かミスをして上司に怒られてしまったり、プレゼンや商談前に不安や緊張を感じるときにも、ほんのわずか2〜3分の時間をとってマインドフルネスをすると、落ち着いて業務にあたることができます。

どこでも簡単にできてしまう、マインドフルネス。決して難しいものでも、怪しいものでもありません。ぜひ今日から、試してみてはいかがでしょうか?