コロナでリモートワークが増え「住む場所」に変化が見られます。
都心の会社に勤めながら、住む場所は地方という方も増えているようです。
去年の夏には東京の人口が転出超過になるほど、移住が増加しました。
都心に勤めながら地方に移住した方たちの暮らしとは?
メリットや考え方、暮らし方などを探ってみました。
快適な「生き方」を求めて移住
東京からの移住先は、主に埼玉県、千葉県、神奈川県の近隣や、その少し外側の茨城県、栃木県、新潟県、長野県などが選ばれているようです。
リモートワークが定着し、会社に出社するのは月に1〜2回程度。それなら会社の近くではなく、地方に移住してより良い環境を手に入れたいという方の移住が多いようです。
群馬県に移住した会社員の方は、「カエルがいて、トンボもたくさん飛んでいる!」というお子さんの声を聞いて、移住してよかったと感じたそうです。
東京のマンションに住んでいた時には体験できなかった、自然とのふれ合いを通してお子さんが目を輝かせて楽しんでいる姿は、とても嬉しいものだったのではないでしょうか。
このご夫婦は共働きで、それぞれ都内の企業に勤務しています。
移住は昨年8月ですが、移住後も勤め先は変えず、テレワークをしながら自宅で仕事を行なっています。
新型コロナの問題に直面し「自然に恵まれた、子育てしやすい環境に移り住もう」と思い切って決断しました。
家の周りの環境がよくなり、子育てがしやすくなったというのはもちろんですが、よかったことはそれだけではありません。
移住によって住居が広くなり、夫婦一人ひとりが自分の部屋を持てるようになりました。
その結果、在宅勤務にもじっくり取り組めるようになったそうです。
夫婦二人ともリモートワークという場合の「お互いの声が聞こえてくる」という一番の問題点を、綺麗に解決することができました。
さらに、都心部から引越したことで、家賃も安くなり住居にかかる費用は転居前の半分以下に減ったそうです。
毎月の固定費が下がり、仕事が捗るようになり、家族の生活の充実度も上がる。これは最高な移住の効果ではないでしょうか。
移住の注意点
逆に、地方移住の注意点はどんなところでしょうか。
小さなところで言うと虫や爬虫類が身近に存在している点などがありますが、実際に住んでいる方の話を聞くと…
・病院が遠い
・子どもの進学先が限られる可能性がある(学校の選択肢が少ない)
・車がないと生活が困難
などが挙げられます。
何かあった時にすぐに大きな病院で診てもらいたい、という方や子どもの進学にはきちんと力を入れたいという方、そして車の免許をお持ちでない方は、少し移住で困る場面があるかもしれません。
ただ、その代わり自然豊かで子育ての環境自体はとても良いですし、生活費も安くなる場合がほとんどです。
都会にはないメリットがあるのも確かです。
つまり、「誰もが地方移住するべき」というわけではなく自分の価値観に合わせて移住するか、都会に住むかを決めることができるということです。
職住近接から人生近接に
移住のメリットは「家が広くなる」「自然が増える」「子どもがのびのび育てられる」など生き方に関するものが目を引きます。
これまで、仕方なく会社の近くで家を選び、狭いけどなんとか住んでいた方たちもリモートワークという武器を手に入れたことで好きな場所で住むことができるようになりました。
その結果、職場に合わせて住む場所を選ぶ必要な薄れてきているように感じます。
今や、職場の近くで家を選ぶ「職住近接」よりも自分の生き方に沿って家を選ぶ「人生近接」がメインになっているのです。
自分の生き方に沿って家を選ぶ、一体どういうことなのでしょうか。
つまり、家を選ぶ際には自分の価値基準を優先して決めることができるようになる、ということです。
例えば、スキーが趣味でしっかりプライベートも楽しみたい方は長野や新潟など、スキー場の近くに移住してしまうことが可能です。
年間パスポートを購入し、仕事が終わったら好きなタイミングで家の近くのスキー場に行くなんて生活も送ることができます。
一方、都会の便利さが好きな方や、車の運転が難しい高齢者の方、なんでも揃う便利な場所で生活したいという方は職場の場所に関係なく、都会に住むこともできます。
これまでは、自分の職が決まったら家も簡単に決まっていましたが、これからは、自分の人生に合わせて家を選ぶ時代になりそうです。
あなたはどんな風に生きていきたいでしょうか?
場所や家賃、家の機能の前に理想の生き方のようなものがありその理想に合わせて、家の場所、家賃、機能などを組み合わせていくのがこれからの「より良い住環境」になるのではないでしょうか。
リモートワークが普及し、家で作業ができるようになりましたが実はそれ以上の変化が起こっています。
この変化を大きなチャンスとして、理想の生き方を考えてみるのもいいかもしれませんね。