テレワークの導入で在宅勤務になり、経費精算が、あいまいになっていないでしょうか。
何回か出勤しているのに「通勤費」が全面カットされてしまったなんて方、いないでしょうか。あるいは、在宅勤務に備え回線増強をされた費用、どうされましたか。

今回は、みんなが気になるテレワークに関する経費の取扱いについて、見ていきたいと思います。

「通勤費」の法律上の支給義務はない!? まずは「就業規則」を確認してみよう

まず、「通勤費」ですが、労働基準法上、「通勤費」の支給義務は定められていません。
これは労働の対価として支払っているからではなく、福利厚生の一環という性質のものだからです。
ただし、「就業規則」などの社内規程に予め支給を定めている場合は別です。その場合は、規定されている内容を踏まえて運用される必要が出てきます。
もし、あなたが自費で「通勤費」を負担しているのであれば、一度「就業規則」の定めがどうなっているかを確認してみることを、おすすめします。

一般的な経費の取扱いは、どうなっているか?

2020年11月16日付で、厚生労働省がホームページ上で、第4回「これからのテレワークでの働き方に関する検討会」資料のひとつとして、「テレワークにおける労務管理等に関する実態調査(速報版)」を発表しています。
そのなかに、会社が貸与・費用負担しているものの統計が掲載されていました。
大まかなものは以下のとおりです。

■会社が貸与または費用負担しているもの
・パソコン:74.4%
・パソコンの周辺危機:55.7%
・スマートフォン・携帯電話:47.9%
・インターネット接続のための通信機器 25.3%
・タブレット端末 14.0%
・インターネット通信回線の使用料9.0%
・事務用品:9.0%
・電話料金8.6%
・一定額の手当を支給している:6.2%
・水道光熱費:1.4%

調査期間:2020年8月20日~2020年10月8日
調査対象:従業員10人以上の農林水産業、公務(他に分類されないもの)を除く全業種
有効回答数:3,788件 ※本調査項目の全体数は1,256件)
参考資料「テレワークの労務管理等に関する 実態調査(速報版)」
リンク:https://www.mhlw.go.jp/content/11911500/000694957.pdf

情報端末(パソコン・スマートフォン・その周辺機器)の貸与の割合が大きいですね。
ただ統計の注意書きに、貸与しているもので「オフィス勤務時とテレワーク(在宅勤務)時に兼用するものも含む」と、注意書きがあります。テレワークのために用意したというのではなく、もともとオフィスで使用していたノートPCを、自宅に持ち帰っているケースも相当数含まれているものと思われます。
通信回線使用料、電話料金の費用負担も、10%弱と少ないものの、確実に存在します。
今後、在宅勤務の時間が増えていけば、負担は重くなり、支給の要望が上がってくることも考えられ、そうなればこちらの支給率は、拡大していくもの思われます。

今回、テレワーク制度に関する費用負担についてまとめてみましたが、いかがだったでしょうか。働き方が、大きく変わった2020年。
経費精算ルールも旧態依然の状況では、実態に合いません。もし自費で負担しているものがあれば、ルールを変えるきっかけにもなるので、まずは会社に相談するのが良いでしょう。