日々、テレワークで仕事をこなすみなさんは、振り返りをしていますか?

振り返りというと、反省会のようなネガティブなイメージを思い浮かべる人が多いようです。また、テレワークをしていると、個人で黙々と作業をすることになるので、わざわざ一人で反省会を開く機会も少ないかもしれませんね。
ただ、振り返りをただの反省会にしてしまわず、有効な方法で実行することで、テレワークの効率をアップしつつ、自分のモチベーションを向上させるのにも役立つことをご存じですか?

今回は、一人で作業をしがちなテレワーカーこそ、習慣にしたい振り返りについて、その具体的な方法を含めてご紹介します。

テレワークに取り入れたい、「振り返り」とは?

一日の振り返りというと、反省会のように、良くなかったことやできなかったことばかりを話す、ネガティブな時間を思い浮かべる人が多いようです。また、上司からのダメ出しのように、他者からの指摘を受ける場というイメージを持っていると、できることならば避けたいと思ってしまうかもしれません。

ただ、本来の振り返りとは、良い悪いではなく、フラットに、何があったのか、どう感じたのかを確認する機会です。ある時点で少しだけ立ち止まって現状を確認することで、思い込みや不安から解放され、次に必要なアクションを考えやすくなります。

正しいやり方で一日の振り返りができれば、業務を効率化することができますし、より高い成果を生み出したり、成長を実感することでモチベーションを向上させていくこともできる、とてもおすすめの方法です。

しかも、やり方もとても簡単。1日たった10分ほどで構いません。ノートとペン、もしくは、メモアプリなど好みのツールを用意して、一日の振り返りをしてみましょう。

※振り返りは、チームで取り組むこともできますが、今回は個人で行う日々の振り返りについてご紹介します。

テレワーカーにおすすめの毎日取り組む、振り返り方法

ここからは、具体的な振り返りの方法についてお伝えします。
ツールは何でも構いません。ノートとペン、もしくは、メモアプリなどを用意しましょう。最初は、スマホの通知設定を切るなど、落ち着いた時間と場所を確保することがおすすめですが、慣れてくれば移動中などのスキマ時間でもできるようになるでしょう。

毎日、振り返りで考えるべき項目は、たった2つです。
・良かったこと
・改善したいこと

それぞれ詳しくみていきましょう。

振り返り項目①「良かったこと」

「良かったこと」なんて子どものころの感想文みたい、と思う方もいるかもしれませんが、「良かったこと」こそ大事なのです。子どものころは「良かったこと」もたくさん思い浮かんだのに、大人になって反省会に慣れてしまうと「良かったこと」がなかなか浮かばなくなっていませんか?そんな時は、仕事に関することだけでなくプライベートも込みでいいので、なんでも書き出してみましょう。

【良かったことの例】
・今日は少し早く起きて、コーヒーをゆっくり準備できた
・新しいプロジェクトの担当者さんとの打ち合わせは緊張したけど、人柄が見えたので安心した
・ネットで購入していた洋服が届いて、テンションが上った
・お気に入りのBGMを発見した
・進捗が遅れていた資料作成がなんとか間に合って、先方へ提出できた
・お客さんからお礼のメッセージをもらった

振り返り項目②「改善したいこと」

「良かったこと」を書き出したら、次に「改善したいこと」を考えてみましょう。「良かったこと」と来たら「悪かったこと」を書くのかな?と思うかもしれませんが、「改善したいこと」を考えるのがおすすめです。

「改善したいこと」とは、今回はまだ満足いかない状態だったり、期待や予想していたところまでは到達しておらず、改善の余地があるということです。「悪かったこと」を挙げていくだけではなくて、あくまで「改善したいこと」として簡易な改善案や方向性まで考えることで、次のアクションがイメージしやすくなります。

また、「したい」という自分の意志であることも大事です。今回ご紹介している振り返りは、あくまで自分のための振り返りですから、誰かに言われているから、あるいは社内的にそういう体裁を取らないといけないから、ということではなく、あくまで自分の意志で「改善したい」と思えるものを毎日書き出すようにしましょう。

【改善したいことの例】
・今日やると決めていたタスクに取り掛かることができなかったので、タスク管理を改善する
・着電が多くて作業に集中できなかったので、明日はスマホをサイレントモードに設定する時間を設けてみる
・少し寝坊してしまって、業務開始には間に合ったけど、気持ちが整わない状態でミスをしてしまった。明日は、6時半には起きて、しっかり準備する
・〇〇社とのプロジェクトの不安が大きくて、後回しにしがち。タスクを細分化して、小さいところから取り組めるようにする

最初は、何を改善したいのかが出せればよいですが、慣れてきたら、上記のように、「どのように改善するのか?」までの振り返りが書けるようになるとベストです。というのも、日々の振り返りがそのまま次回のTODOやアクションリストになるからです。

毎日振り返りができるようであれば、明日改善してみたいことを書き出しておくと、明日の業務の進め方のイメージが持てるので、スムーズに業務を開始する手助けにもなりますよ。

毎日の習慣にするために振り返りをする時間を決めておくようにするのがおすすめです。一日の振り返りをしようと思っても、なかなか継続できないとお悩みの方もいるでしょう。忘れない・やりきるためには人の目に頼るのも良いかもしれません。「振り返りをするぞ!」と仕事仲間にも分かるように、他の人も見られる会社のスケジュール(カレンダー)に書き込んでおくのもおすすめです。

テレワーカーが有益な一日の振り返りをするために大事なポイント

必ず「良かったこと」から振り返る

振り返りについてネガティブなイメージを持っている人は、今までの振り返りで「悪かったこと」や「できなかったこと」を先に考えていたからかもしれません。ネガティブな事柄から考え始めると、「では、どうしたらよかったのか」といった反省会が始まってしまい、「良かったこと」や「できたこと」の振り返りに戻ることが難しくなります。

その日一日の振り返りに慣れていないうちは、仕事で「良かったこと」がなかなか出てこずに戸惑う方もいるかもしれません。ただ、どんなに小さなことでも構わないので「良かったこと」を書き出していくと「意外とこんなにできているな」「今まではここでつまずいていたのに、できるようになったんだな」など、自分自身でも意識したことがなかった発見があり、成長を実感することができるでしょう。純粋に、ポジティブな気持ちや思考になっていくのも感じられると思います。

さらに毎日の振り返りが習慣化してくると、日頃から「良かったこと」に気付きやすく、目や意識を向けることができるようになります。

「悪かったこと」や「できなかったこと」に引っ張られて、不安や焦りを増幅させてしまうことで、冷静な判断に支障をきたし、仕事の業務効率やモチベーションを下げてしまうことがあります。このようなリスクを避けるためにも、一日の振り返りは必ず「良かったこと」から考えるようにしましょう。

評価をしないこと

一t日の振り返りは、どんな小さなことでも構わないので、頭に思い浮かぶものを、ただ書き出していきます。この時、「このポイントは小さすぎる」「〇〇さん(上司など)だったらどう思うかな」「本当はこう思った、感じたけど、振り返りに書くほどでもない」などと評価をせずに、書き出していきましょう。

振り返りを始めてこのポイントを意識していくと「自分はこんなにもたくさんの評価を下していたのか」と驚かれると思います。実際、私たちは一日に4〜6万回のセルフトークをしていると言われていて、「ああでもない、こうでもない」といった頭に浮かぶアイディアに対して、無意識のうちに評価をしてしまっているのですね。

評価をしていることに気が付くと、自分がどのような思考の癖や隠れた感情を持っているのかについても分かってきます。

例えば、良かったことを振り返りしている時に、「こんな小さなことは、誰も気にしないし、鼻で笑われてしまうかもしれない」という評価が頭に浮かんだとすると、「自分は周りから評価されることを恐れている」「周りとの関係に不満や不安がある」「周りにできる人と思われたいと思っている」など、自分自身の理解も深まるわけです。

自分のことがよく分かってくると、対策のしがいもあります。そのままの自分を受け止めるのももちろんですし、新たに「改善したいこと」として振り返りに含めてもよいかもしれません。

評価をせず、フラットに振り返りができるようになることで、より振り返りの効果を感じることができるでしょう。

テレワークに振り返習慣を取り入れて、より良いキャリアと人生を

今回は、テレワーカーにおすすめの振り返りについて、具体的なやり方や、より有効に振り返りをするコツについてお伝えしました。

反省会のようなネガティブなイメージを持たれがちな振り返りですが、今回お伝えした方法で毎日振り返りができれば、業務やキャリアだけでなく、みなさんの人生にとっても良いこと尽くしです。

とは言え、なかなか振り返りの習慣化が難しいと感じるようでしたら、週に1度から始めてもいいと思いますし、会社の日報がすでにあるようであれば日報を書きながら振り返りの視点を取り入れてみるのもおすすめです。

1日たった10分で業務の効率化やモチベーションアップが期待できる振り返り。ぜひ、毎日のテレワークに取り入れてみてはいかがでしょうか?